須賀川労基署管内の労働災害 昨年は死傷者数124人 冬季の転倒に注意を

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 須賀川労働基準監督署は令和3年の管内(須賀川市、岩瀬郡、石川郡)の労働災害発生状況の速報値をまとめた。労働災害(休業4日以上)の死傷者数は、全業種合計124人で、昨年より29人減少した。死亡は1人(前年比2人減)。今年は第13次労働災害防止計画の最終年度であり、目標達成に向け福島労働局と各労働基準監督署は2月28日まで「福島冬季転倒災害防止運動」を展開し、注意を呼びかけている。
 昨年の労働災害負傷者数を産業別にみると、最も多かったのは製造業の47人(前年比5人増)。内訳は窯業・土石製品製造業が9人、化学工業6人、一般機械器具製造業5人など。パルプ・紙・加工品製造業は4人で、死亡事故により1人が犠牲となった。
 建設業は21人(同6人減)で、建設工事業11人、土木工事業7人、その他3人。
 運輸交通業は12人(同7人減)で、いずれも道路貨物運送業だった。
 農林業は3人(同1人減)、畜産・水産業は2人(同2人減)。
 その他の第3次産業は39人(同18人減)で、内訳は商業が15人、接客娯楽業12人、保健衛生業6人、通信業と清掃・と畜業が各2人など。
 全労働災害のうち、転倒は29人(同4人増)、交通事故(道路)は8人(同3人減)だった。
 第13次労働災害防止計画は、死亡災害の撲滅と、労働災害による負傷者数を平成29年に比べ5%以上減少させることを目標に掲げており、管内では令和4年に95人以下に留めることが求められる。
 労働災害で多くを占める転倒は12月から2月までの冬季に多発しており、その防止が目標達成の一つの大きな要因となる。
 県内全体の統計をみると、転倒事故は午前9時台をピークに、午前中に多く発生しており、年代別では50代以上が7割以上を占める。男女別では女性が約6割となる。
 転倒防止運動では、降雪・凍結前の事前準備として労働者への注意喚起と、転倒する恐れのある箇所の事前確認、融雪剤、凍結防止剤、スコップ、防滑靴等の事前準備を呼びかける。
 設備・作業環境等では、作業通路における段差や凸凹、突起物、継ぎ目などの解消、4Sの徹底による床面の水濡れや油汚れなどの除去、照度の確保、手すりや滑り止めの設置、危険箇所の見える化などが有効とされる。
 このほか須賀川労働基準協会ではホームページに転倒等リスク評価セルフチェック表や啓発資料を公開し、注意を促している。

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