全盲ピアニスト辻井さん母語る 天栄村の子育て講演会

教育

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    様々なエピソードを紹介する辻井さん

 天栄村の子育て講演会は30日、全盲のピアニスト辻井伸行さんの母いつ子さんを講師に迎え、文化の森てんえいで開かれ、前向きな姿勢で子どもに寄り添う子育ての実践を伝えた。
 子育て支援に力を入れる村の事業の一環で、「明るく、楽しく、あきらめない生き方」を演題に、村内から約60人が受講した。
 フリーアナウンサーとして活躍していたいつ子さんは昭和63年に伸行さんを出産した。生後間もなく伸行さんが全盲とわかり不安を感じながらも、自分が元気に育てていかなければ、との思いで様々な書籍を読んだ。
 そうした中で、視覚障害を持ちながらも明るく生きる姿を書く福澤美和さんの本「フロックスはわたしの目」と出会う。
 感銘を受け、福澤さんに録音した感謝の言葉を送ったところ、本人と会う機会に恵まれた。そして子育てについて相談したところ「普通に育てて良いですよ。花見だって、私たちは花を香りで楽しめます」とアドバイスを受けた。
 その後、伸行さんの音楽の才能を発見し、周囲の助けを得ながら素質を伸ばせる環境を整え、伸行さんは平成21年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初優勝するほどに成長した。
 いつ子さんは伸行さんに「いつも上を向いて歩いてほしい」と願い、「なにか好きなものを一つ見つけてあげたかった」とピアノとの出会いを振り返る。
 また「視覚障害があるため、子どもの頃は育児本と比較すると成長が遅かったが、成長は人それぞれであり、気にすることをやめようと思った」と述べた。
 いつ子さんの優しい口調で紹介するエピソードに受講者たちは感銘を受けている様子だった。