当初予算案を説明する添田村長
天栄村の添田勝幸村長は22日、村役場で令和4年度当初予算案を記者発表し、一般会計は39億7900万円(前年度比4億万3100円、9・8%減)と説明した。
添田村長は「新型コロナが長期化する中、感染対策と社会経済活動の両立に向けた対策や、自然災害に備えた防災対応機能の充実、第5次村総合計画の5つの基本目標の実現に向けた諸施策を中心に作成した。第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を基本とする人口減少対策や、SDGsの推進など持続可能な村づくりにも取り組む」と述べた。
重点事項のうち「ウィズコロナ・アフターコロナ」関連事業は、現在休止中の泊まってエールキャンペーンに293万5000円。
「人口減少対策」関連事業は移住支援やホームステイ、ファームステイやワーケーションなど受け入れられる体制の整備として、てんえい体験滞在支援事業に30万円。
「SDGs・カーボンニュートラルの推進」関連事業は、協力団体や関係団体と連携しSDGs推進体制を図るSDGs推進事業50万円。4月以降に推進協議会を設立する予定。緩衝帯管理実証事業は208万7000円で、民間がヤギを購入もしくはリースし、耕作放棄地や農地周辺の法面、畦など緩衝帯でヤギによる除草を試みる。村は導入費や管理費、ヤギを囲うためのワイヤーメッシュ購入、施工費用を負担する。村内では農業者の担い手不足や高齢化から農地全体の約17%にあたる281㌶が耕作放棄地になり、その面積は年々増加している。また急斜面の除草の作業負担軽減や、ヤギ導入によるイノシシ・シカなどの獣害被害防止が期待される。実証期間は5月から10月頃まで。食育と地産地消学校給食事業は100万円で、村内の小中学校で村産の有機野菜や地域加工品を味わう機会を提供し、SDGsの学習につなげる。
「活力と賑わいあるむらづくり」関連事業で、てんえいふるさと公園農林水産物直売施設整備事業は4億円で、道の駅「季の里天栄」の南西隣接地の5万6436平方㍍を活用し、現在公園整備を進めているが、新たな道の駅施設(699平方㍍)を新年度に建設する。公園全体は令和5年度完成を目指している。
そのほか鏡石町と共同で設置する総合相談窓口の設置事業は90万円で、毎週1回、専門家が来庁し、村民の消費者問題など様々な相談に応じる。
学習アプリ導入事業は91万3000円で、大里小で今年度から先行して導入したデジタルドリルを全小学校の児童と中学校の一部生徒を対象に広げる。子どもの理解度に応じた問題をAIが出題するシステムで、朝の学習や長期休業中などに活用し学力向上が期待される。
公共施設整備基本計画調査事業は242万円で、保育所移設や小学校統合など公共施設の整備に係る基本計画を策定するための基本調査を行う。
コンビニ交付サービス事業は2700万円で、証明書等のコンビニ交付サービスを導入する。
新年度予算は3月8日から開かれる3月議会で議論する。