記者発表する遠藤町長
鏡石町の令和4年度当初予算記者会見は28日、町役場で開かれ、遠藤栄作町長は「来年度は(町制60周年など)大きなイベントが目白押しですが、町民とともに事業を成功させていきたい」と述べ、一般会計予算総額71億円(前年度に8億円、12・7%増)の予算概要を説明した。
来年度一般会計の主な内訳は、新型コロナ対策事業費4743万3000円、子育て支援関係事業10億7598万8000円、魅力づくり事業(進化する鏡石実行プロジェクト)2億5026万7000円、災害に強いまちづくり事業1708万7000円、町制施行60周年記念事業3318万4000円、原子力災害対策関連事業4794万9000円。
国民健康保険など特別会計と企業会計予算総額47億8895万2000円と合算した当初予算総額は118億8895万2000円となる。
遠藤町長は会見冒頭で来年度も新型コロナ対策に全力を挙げて町民生活を支える強い意志を示したほか、「東日本大震災と原発事故による風評被害は未だ払拭出来ておらず、今もなお安全への不安は続いている。東日本台風ではこれまでの水害を超える大被害となったが、住民の命と財産を護るために国・県と連携し地区住民と共同で緊急治水対策プロジェクトに取り組んでまいりたい。令和4年度は新たなまちづくりの指針となる第6次総合計画のスタートの年であり、さらなる活力強化、魅力づくり、安全安心づくりに町民とともに取り組んでいきたい」と述べた。
今年4月を初年度とする第6次総合計画は「安心=やすらぎ、住みよい、笑顔あふれる」、「健康=健やかに、元気あふれ、みんなでささえ笑顔あふれる」、「進化=未来へと、ともに創る“しんか(進化/深化”しつづける」『牧場の朝のまち』を基本理念にしたまちづくりに取り組む。
重点事業のうち新型コロナ対策は、ワクチン接種体制確保事業243万3000円、対策事業100万円、町内事業所対象プレミアム付商品券発行4400万円。
子育て支援関係は保育施設運営補助(保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業)613万4000円、子育て世代包括支援センター機能拡充334万4000円、母子保健事業(妊婦一般健康診査20週・産後2週間健康診査事業)10億5424万3000円など。
魅力づくり事業(進化する鏡石実行プロジェクト)は新規事業が主で須賀川市・天栄村と共同でスタートする障がい者地域活動支援センター事業200万円、地域支援事業(任意事業)200万円、県営高久田地区経営体育成基盤整備事業2957万5000円、かがみいしファンクラブ事業99万8000円など。
災害に強いまちづくり事業は遊水地建設に伴う住民高台移転に関して、成田地区水害対策事業213万4000円、成田地区遊水地事業(農業集落排水事業)400万円のほか県中防災訓練実施事業272万7000円、町内の防災無線デジタル化など327万6000円。
成田地区住民移転は現状で詳細が発表されていないが、来月にも住民説明会が行われる見込みで、遠藤町長は「現在住んでいる場所が見渡せる場所(近場)への移転を望みたい」と述べた。
町制施行60周年記念事業は、10月の記念式典事業980万8000円、記念ロゴマーク作成など記念イベント事業149万1000円、全国あやめサミット費を含む田んぼアート事業1181万7000円、鏡石「牧場の朝」オランダ・秋祭り事業500万円。
町の財政健全化判断比率は、令和3年度平均実施交際比率8・1%(前年比0・4ポイント減)、町債残高は新規借り入れの抑制を行っているものの増加傾向にあり、一般会計での残高は前年度比2億1356万増。将来負担比率は30・2%(10・1ポイント増)となった。