藤沼湖決壊事故で記憶つなぐつどい 「あの日」を100年後にも共有できる社会目指す

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    降りしきりる雪の中献花し手を合わせる参列者
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    犠牲者に黙とうを捧げる関係者たち

 東日本大震災と藤沼湖決壊事故から今週末で11年。事故の記憶を継承し犠牲者を悼む「大震災と藤沼湖の記憶をつなぐつどい2022」は6日、最も早く濁流に飲み込まれた滝地区の住宅地跡に造成した滝防災公園内慰霊碑前で関係者らが参列して開かれた。過去11回で初めての雪模様となった。
 東日本大震災の強烈で長周期の揺れが藤沼湖本堤を襲い、ほぼ満水状態の貯水150万㌧が山肌を削り雑木を巻き込んだ濁流となって滝・長沼・城影地区を襲った。8人(行方不明1人含む)の人命を奪い、131戸の住宅被害、広範囲に及ぶ農地被害をもたらした。
 深々と雪が降る中で参列者ははじめに全ての犠牲者へ1分間の黙とうをささげた。
 加藤和記記憶をつなぐつどい実行委員長は「お蔭さまで記憶をつなぐつどいも11回目となり、昨年は慰霊碑の建立も出来、記録誌『あの日を忘れない』の発刊も出来ました。関係者の皆さんのご理解とご協力に感謝申し上げます。私たちはこれからも記録と記憶を語り継ぎ、いまも苦しむ犠牲者の皆さんに心を寄り添っていきたい。これからは若い人たちにいかに受け継いでいくかが大きな課題であり我々の仕事でもあります。50年、100年後も記憶を共有できる社会をつくっていきたい」と述べた。
 来賓の橋本克也市長、五十嵐伸市議会議長、玄葉光一郎代議士もあいさつし、犠牲者を悼んだ。
 慰霊碑前に設けられた祭壇に、参列者一人ひとりが白いキクを献花して手を合わせ、事故の再発防止と記憶継承を改めて誓った。
 なお藤沼湖決壊の経緯や再建までの道のり、被害状況、被災者の証言と写真をまとめた記録誌「あの日を忘れない―そして語り継ぐ未来へ」(A4版、128ページ、フルカラー)は、藤沼湖決壊による慰霊碑建立実行委員会(柏村國博委員長)が3500部を先月発行した。
 冊数に限りがあるため非売品だが、今後の支援・協力として3000円以上を同委員会に寄付した希望者に配布している。
 寄付の振り込み先は、郵便局振込用紙(青色用紙)で、口座名・慰霊碑建立実行委員会、口座記号02220―5、口座番号14376。問い合わせは柏村委員長(090―4556―7473)か、森清道事務局(090―9632―7535)まで。

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