第一句集を出版した江藤さん
須賀川市の桔槹吟社同人会長の江藤文子さん(74)=小作田=は、過去約15年の厳選した382句を収めた第一句集「しづかなる森」を出版した。
A5判サイズで表紙に山本萠さんの絵を使用した221ページの句集。
今年が桔槹吟社の100周年に当たるため、記念として出版を決めた。
地元の情景や旅行先で見た風景、東日本大震災後の海、好きな音楽を詠んだ句など「夏鷗」「牡丹畑」「海の色」「万緑のことば」「荒星降る」の5つの章に収めた。
ページを捲ると「三百の枡に福の字初御空」の句で始まり、最後には本のタイトルにも採用した「ヴァイオリンはしづかなる森月渡る」で締めくくる。
江藤さんは「俳句の盛んな地であり、長年地域の小学生に俳句の指導や教室に関わっています。いつも子どもたちから新鮮な心を教えられている。句に込めた感情や情景を楽しんでほしい」と述べ、「今後も常に新しいものを求めて、第2句集に向けて取り組んでいきます」と意欲を語った。
江藤さんは1988年に作句を始め、1990年に俳句同人誌「桔槹」同人、2017年に第70回県文学賞・俳句部門最高賞の文学賞(正賞)を受賞した。現在は桔槹吟社同人会長のほか、県俳句連盟副会長、全国俳人協会会員として活躍している。
市図書館、風流はじめ館、桔槹同人や俳人などに贈呈した。
また、全国書店から注文もできる。発行所はコールサック社、1冊2200円。