思い出いっぱいのランドセルを段ボールに詰める児童たち
稲田学園(小貫崇明校長)6年生34人は22日、使用しなくなる自分たちのランドセルをアフガニスタンに送る海外支援に向け、1年間にわたる活動の総仕上げとしてランドセルを段ボールに詰め、発送準備を完了させた。
同学年の活動は昨年4月、総合的な学習「いなだスタディ」の時間に児童が発案したことでスタートした。
支援団体にランドセルを送る送料も自分たちで賄うため、5月末に校舎敷地内にトマトを植え栽培した。収穫したトマトは地元企業ジェイラップの協力でドライフルーツに加工し、すかがわ観光物産館flattoで販売して収益を上げ、寄付金と合わせて10万円以上を集めた。
また6年生は寄贈先のアフガニスタンについても調べ、ランドセルによる支援を続ける写真家の内堀タケシさんを迎えた特別授業なども行い、現地の現状などの知識を深めた。
寄贈するランドセルには英語で「大切に使ってね」「皆さんが笑顔でいられるよう願っています」などのメッセージを添えた。8年生が添削に力を貸した。
地元企業や保護者、上級生、教職員など多くの理解と協力を得ながら進めてきた活動の総仕上げとして、段ボールに思い出のランドセル40個(兄弟の分含む)を詰めた。
段ボールには「ランドセルは海をこえて」の文字を書き、メッセージと学校の備品として保管していた未使用のノートも入れた。
発案者の岩崎成吾君は「みんなで一丸となってここまで活動することができて、達成感を感じています。また、たくさんの人に協力していただいたおかげで実現できたので、感謝の気持ちでいっぱいです。今回、アフガニスタンについて調べて、特別な思い入れを持つようになりました。今はウクライナも大変な状況にありますが、今回の活動をきっかけに、これからも世界に目を向けていきたいです。またランドセルの支援が今後稲田の伝統としてつながってくれたらうれしいです」と笑顔を見せた。
ランドセルは4月下旬、海外支援を行っているクラレ(本社・東京都)の国内集荷場に発送される。
なお同校は新年度も送料の余剰金などを活用し、ランドセルによる海外支援活動を継続したいとしている。