新年度事業計画などを協議する理事会
須賀川牡丹園保勝会理事会・評議員会は23日、牡丹会館で開かれ、栁沼直三理事長は「今年も感染拡大防止策を徹底した上で4月15日に開園式を開き、開花状況をみながら有料公開時期を決めていきたい」と述べた。
須賀川牡丹園は明和3年に薬種商・伊藤佑倫が牡丹の苗木を現在の宝塚市から持ち帰り栽培したことが始まりで、明治初期に栁沼家が受け継いだ。250余年の歴史と伝統を持つ同園は昭和7年に牡丹園として全国唯一の国指定名勝指定を受け、今年で90年を迎える。
10ヘクタールの敷地で290種約7000株の牡丹だけでなく、5月の連休時期にはシロフジやシバザクラなどが咲き競い、まさに百花繚乱の桃源郷となる。今年の露地牡丹は4月下旬から5月上旬の見頃が見込まれる。
柳沼理事長は「今年も大型連休にはおもてなしのステージ発表を行い、多くの皆様に牡丹の花を楽しんでいただきたい。かけがえのない市の誇りと宝を後世に伝え、引き継いでいけるよう今年も取り組んでまいります」とあいさつし、議事は新年度事業計画と収支予算を協議した。
新年度も須賀川牡丹園を郷土の文化的・学術的遺産として次世代に継承するため、維持管理の充実に努めるとともに、その成果を広く一般に公開・発信すべく各種事業を展開する。
主に牡丹品種の保存と改良は、園内を国指定ほ場・銘柄牡丹・中国牡丹・寒牡丹・古種牡丹の系統ごとに分け、土壌づくりで樹勢を強化し、病害虫の侵入を抑える。
また牡丹ハイシーズンの朝牡丹公開だけでなく、有料公開期間以外も四季を通して風光明媚な園内の景観を楽しんでもらえるよう、無料公開や各種イベントの実施、情報発信に力を入れる。
市フラワーセンターでは、牡丹や草花の栽培と供給、展示、栽培に関する各種相談、体験講座を開講する。全9回の牡丹栽培管理者養成実践講座、フラワーアレンジメント教室、フラワー教室、牡丹園歴史勉強会などを予定している。
牡丹会館では国指定名勝「須賀川の牡丹園」に関する資料の保存・公開を中心に、6月上旬の牡丹絵画展、12月のフォトコンテスト、来年2月頃のプリザーブドフラワー教室を開くほか、市内外の文化団体への貸館も積極的に行う。