目をつぶって注射を我慢する子どもたち
須賀川市、鏡石町、天栄村の小児(5~11歳)を対象とした新型コロナワクチンの集団接種は27日から公立岩瀬病院第3会議室でスタートし、初日は約60人が接種を受けた。今年に入り、オミクロン株の流行に伴って10代以下の感染が目立つ中、接種できた安心感を述べる声も聞かれる一方、副反応などへの不安から二の足を踏む保護者も少なくない。
小児を対象とした接種ができる医療機関が限られているため、須賀川・岩瀬地域で合同の接種体制をとった。
対象者は須賀川市約4500人、鏡石町800人強、天栄村約260人。ファイザー社製の小児用ワクチンを使用し、1回目から3週間の間隔をあけて2回目を打つ。接種費用は無料。
集団接種は7月末まで毎週日曜日に対応する予定で、27日は約60人が接種を受けた。4月10日までは1日あたり約60人を受け付け、17日からは2回目接種と合わせて約120人を対応することとなる。
接種時は接種券、予診票、母子健康手帳、健康保険証等の本人確認書類、お薬手帳が必要となる。また接種は保護者1人の立ち会いを要する。
接種を受けた子どもたちは目をつぶって注射を我慢し、終わるとホッとした表情を浮かべていた。
付き添いの保護者は「無事に接種を受けることができて安心しました。周りの保護者には副反応を心配したり、子どもは重症化リスクが低いからと悩んでいる人も多いです。でも私は接種券と合わせて送られてきた須賀川医師会の資料など読んで、接種した方がリスクは低いと判断しました」と述べた。
須賀川医師会の説明文書はワクチンのメリットやデメリット(副反応)、新型コロナのり患歴があっても接種する必要があるか、集団免疫の考え方など紹介している。
また5歳未満を守るための対策として、周囲の成人のワクチン接種、2歳以上の小児のマスク着用、感染リスクが高い場所を避けるなどをあげている。
ワクチン接種に判断がつかない場合のアドバイスとして、この年齢層でも重症化する恐れはあり、り患するより接種のほうが安全な選択肢であること、感染した場合への周囲への感染リスクの増加と、それによる行動制限等の影響などを説明した。
このほか厚生労働省の資料も添付し、効果や安全性の説明に合わせ、早期に接種する人や接種できない理由がある人など様々な人がおり、ワクチンの接種状況等で絶対に悪口やいじめをしてはならないと注意を呼びかけている。
副反応の症状が重い場合や2日経っても回復しない場合は県副反応コールセンター(℡0120―336―567)まで。
接種に関する相談は各市町村の窓口(須賀川市=0120―567―455、鏡石町=62―2115、天栄村=94―8892)まで。