名板レプリカを受けた生徒たち
昨年7月にトンネルが貫通し、2020年代初頭の供用開始を目指す天栄村の国道118号鳳坂工区について、鳳坂トンネルと一本木橋の名板を地元中学生らが揮毫した。名板のレプリカ贈呈式は28日、役場正庁で行われ、生徒5人に真鍮製の約100分の1サイズレプリカが贈られた。
村の牧之内と羽鳥を結ぶ鳳坂工区は総延長約3・4㌔で、トンネル貫通後も坑内の舗装や照明設備など整備を進め、現在の進捗率は約7割となっている。
供用開始後、多くの人に親しまれるトンネルなどになって欲しいという県中建設事務所の願いと、郷土愛を育むためのふるさと教育を進める村の希望により、今回の揮毫が実現した。
天栄中の星莉己さん(3年)が牧之内側のトンネル起点に「鳳坂トンネル」、トンネル終点は湯本中の佐藤瑛汰君(2年)が「鳳坂」、星葵さん(同)が「トンネル」の文字を書いた。
一本木橋は天栄中の井上弓佳さん(同)が「一本木橋」、有馬陽菜さん(1年)が地区名を示す「古小屋沢」を書き、湯本中職員が「令和4年1月竣工」「いっぽんぎはし」の文字を揮毫した。
真鍮製で大きいものは長さ約3㍍ある名板は、今年1月に一本木橋、2月に鳳坂トンネルに設置された。
宗像誠也県中建設事務所長は「トンネルは100年使うことを想定して作っており、皆さんの名板も100年残ることになる。思いを込めて書いた文字が言霊となり、これからきっと地元の人や通行者を見守ってくれるだろう」と式辞を述べた。
添田勝幸村長は「トンネルは歴代村長や村議など関係者の100年来の悲願です。今回、このように関われたことを誇りや励みに、これからの人生も頑張ってほしい」とあいさつした。
参加した星莉己さんは「貴重な経験をさせていただきました。自分が書いたものが100年も残るなんて信じられないくらい驚きで、うれしいです。供用開始したら湯本と村内他地区や、県外との行き来が活発になったらいいと思います」と期待を膨らませた。