新たな歴史へ思いを一つに 須賀川創英館高 伝統引き継ぎ開校式

教育文化

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    ステージで校旗を掲げる森下校長

 須賀川・長沼の両校を統合した須賀川創英館高の開校式は11日に行われ、2・3年生420人と教職員、内堀雅雄県知事や橋本克也市長をはじめとする来賓が出席し、両校の伝統を引き継ぎながら新たな歴史を刻んでいくため、思いを一つにした。
 同校は少子化に伴う県教委の学校改革計画の一環で、創立114年の歴史を有する須賀川高と、創立73年・独立43年の長沼高を統合し、地域を支える核となる人材の育成を目指すキャリア指導推進校として再スタートした。
 式典で丹野純一県教育次長が大沼博文県教育長の式辞を代読し、「須賀川市を学びのフィールドとした探究型・課題解決型の学習を実践することで、地域の伝統や文化を尊重し、主体的に地域の課題に向き合い、協働的に解決できる資質や能力を育み、地域の未来を創造できる人材の育成を目指す。生徒の皆さんには、須賀川創英館高の生徒としての誇りを胸に、高い志を抱き、夢や希望に向かって大きく羽ばたくことを期待している」と述べた。
 校章を元須賀川高生徒会長の館脇さくらさん(3年)、校歌を元長沼高生徒会長の藤川奈々佳さん(同)が紹介し、音楽部が事前に録音した校歌を初披露した。
 丹野県教育次長が森下陽一郎校長に校旗を授与し、両校の理念を受け継ぎ、統合校で能力を花開かせていく様子を表現した校章が輝く白い校旗をステージの上で掲げた。
 来賓を代表し、内堀県知事は「須賀川出身の円谷英二監督は『ないものは作ればいい』と前例のない壁に情熱で挑み続けた。それは震災・原発事故からの復興に挑戦し続けてきた県民の姿と重なる。皆さんもそれぞれが思い描く夢に向かって、挑戦を続け、未来に続く新しい道を切り開くことを期待する」、橋本市長は「各分野で活躍する多くの人材を輩出した須賀川・長沼の両校に改めて敬意と感謝を申し上げる。須賀川創英館の地域と連携した学びは行政を担う我々にとって心強く、市の関心を深め、地域活性につながるアイデアをともに生み出していただけるものと大いに期待している。皆さんが新しい歴史の扉を開き、同校の輝かしい未来を創っていくものと確信している」と祝辞を述べた。
 開校式を終え、舘脇さんは「今年度は須賀川、長沼、須賀川創英館の3種類の制服を着た生徒がともに学校生活を送ります。統合をまだ実感しきれていない部分もありますが、生徒会で目安箱を設置するなど生徒一人ひとりの声に耳を傾け、文化祭や体育祭など学校行事を通し、須賀川創英館の生徒として一体になれるよう力を入れていきたいです」、藤川さんは「私たちの代で須賀川・長沼の壁をなくし、次の世代に引き継いでいきたいです。長沼高ではできなかった大人数での学校行事はとても楽しみにしています」と述べ、新たな歴史のスタートに目を輝かせていた。

創英館高で入学式 新入生194人を迎える

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    誓いの言葉を述べる坂田さん

 須賀川創英館高の入学式は12日に行われ、開校後初となる新入生194人を迎えた。
同校の2・3年生は卒業まで、須賀川、長沼の両校のカリキュラムで学び、制服もこれまでのものを使用する。
須賀川創英館の特色である4コースに分かれたカリキュラムなどを受けるのは新1年生が初めてとなる。
入学式は担任教諭が新入生一人ひとりを呼名し、全員の入学を許可した。
森下陽一郎校長は「本校は昨日開校式を迎えたが、須賀川・岩瀬地方における拠点校としての位置づけは変わらず、今年で創立115年となる。新入生の皆さんは、命を大切にし、当たり前の毎日に感謝すること、須賀川創英館として新しいものを創っていくこと、チェンジ・チャレンジの2つのCを常に意識し、本校の礎を築いていってほしい」と式辞を述べた。
来賓の宗方保県議が渡辺義信県議会議長の祝辞を代読し、「県下の名門須賀川創英館と誇れる学校にしてほしい」とエールを送った。
新入生を代表し、坂田瑠捺さんが「自律・叡智・創造の校訓を胸に、先生方の教えを実践していきます。本校の生徒として自覚と誇りを持ちながら、自身の目標に向けチャレンジ精神で常に精進していきます」と誓いの言葉を述べた。
新入生らは早くも仲間たちと打ち解け始め、高校生活への期待を高めている様子だった。

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