宵祭りの3年連続中止を確認した総会
江戸時代に流行した疾病退散を目的に始まり、今では須賀川の夏祭りを代表する「きうり天王祭」は、今年もコロナ感染拡大防止を目的に、3年連続で宵祭りを中止する方針を固めた。祭典を運営する須賀川市三丁目町内会の総会が15日夜、同町会館で開かれ、実行委員長を務める渡邉達雄町内会長が出席者に説明し理解を求めた。
きうり天王祭は南町の東北電力ネットワーク須賀川電力センター前にお仮屋を建設し、7月13日に御迎えまつり、14日に宵祭り、15日に本祭りとお送りまつりを催している。
宵祭りにはコロナ禍前は6万人を超える参拝者が市内外から足を運び、お仮屋前や露店が立ち並ぶ目抜き通りは混雑を極め、感染拡大防止対策徹底は非常に難しい状況とみられた。
渡邉会長は冒頭のあいさつで全世界では未だ猛威を振るうコロナは、感染症法上、結核やSARSと同じ「2類相当」に指定され続けており、季節性インフルエンザと同等の「5類相当」にまで危険度が下がらない限りは開催が難しいとの考えを示し、①お神輿を担ぐ②お仮屋前の混雑③露店でのアルコール提供などを根拠としてどう対策を取っても密状態は避けられないため今年も「中止せざるを得ない」とした。
また「本来であれば3年ぶりに開催して、まつりのやり方などを継承していきたい。年内には一定の落ち着きを取り戻し、感染症指定分類も下がる可能性もあり、来年こそは開催できるよう感染拡大防止対策に努めていきたい」と理解と協力を呼びかけた。
今年も7月14日の宵祭りは中止する方針だが、昨年と同様に15日の本祭り開催日に合わせて疾病退散を目的とした神事を三丁目会館で開く予定も説明した。
きうり天王祭は江戸時代に流行り病退散のため、当時の三丁目(現・南町)にあった岩瀬神社の牛頭天王にキュウリを祀ると鎮まったという云われが期限とされている。
参拝者らはお仮屋に2本のキュウリを奉納し、代わりの1本と交換して持ち帰り食べると、1年間病気にかからないと言い伝えられる奇祭の一つとして長年親しまれている。
牛頭天王はカッパの神様で、きうり天王は雨のお祭りとしても親しまれ、コロナ禍前は多くの露天商が軒を連ねるだけでなく、バンド演奏やラジオ生放送など様々なイベントに浴衣姿の若者や家族連れらでにぎわっていた。