添田村長の話に真剣な眼差しを向ける生徒たち
天栄中は今年度、生徒たちがふるさと天栄について探究的に学ぶ「ふるさと・夢プロジェクト」を各学年で実施し、村の財産である「人・もの・こと」を最大限に活用しながら、自己の生き方を考え、夢の実現につなげる。第1回は15日、全校生約110人が体育館に集まり、添田勝幸村長から村の魅力や課題、より良い村づくりのための取り組みなど教わった。
総合的な学習の時間の一環で、「ふるさと・夢」をテーマに「天栄ならでは」の教育を進める。
ふくしま学習調査や校内の事前アンケート調査により、同校の課題として生徒たちのふるさとに対する関心や愛着が高い一方、将来の夢や目標を見出せない生徒が県全体と比較して多い傾向にあることがわかった。また将来地元に残って生活したいと考える生徒は少なく、ふるさとの具体的な良さに気づいていない生徒が多かった。
そのため村内の豊かな自然、多様な産業、独自の歴史や文化、特産品やそれらを生み出す人たちに話を聴き、体験活動などを通し、未来の天栄について考え、自分の将来の生き方を考えることが狙い。
学ぶ内容は学年によって異なり、1年生は地域の自然環境や歴史・文化等地域の特色を知ること、2年生は地域の職やそれにかかわる作業・生産者から学ぶこと、3年生は村づくりや地域活性化のために取り組む人たちから学び、持続可能な村づくりについて考えることに重点を置き、年間を通して学んだ内容を文化祭で発表する。
また3年生は模擬議会でのプレゼンテーションも計画している。
第1回は濱津太校長がプロジェクトの概要など説明した後、添田村長が村の魅力について「豊かな自然があり、水がきれいであることが特長。その水が米や日本酒、農産物、パンなどの加工品、工業製品にも活かされ、国内有数の高い品質を誇る生産物が生まれている。しかし、その背景には作り手の努力があり、豊かな自然も村民の手によって保つことができている。だから村の何よりの自慢は、皆さんを含む村民です」と説明した。
またコロナ禍や少子高齢化、持続可能な村づくりに向けた課題などもわかりやすく説明し、東日本大震災・原発事故後の未曾有の危機に対し「村をなんとかしなけらば」「子どもたちを守り、元気にしなければ」と取り組んだ思いなどを伝え、誰かのために力を尽くすことの大切さを説いた。
生徒らはメモを取りながら真剣な表情で耳を傾け、自分たちのふるさとに理解を深めた。最後に生徒代表の緑川姫依さん(3年)がお礼の言葉を述べた。
今後、学年ごとにさらに学習を深めていく。