「須賀川の俳人 森川光郎」展 春夏秋冬の自筆作品ずらり 風流のはじめ館


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    来場者と展示作品について話す森川さん

 風流のはじめ館の桔槹創刊100年記念事業第2弾スポット企画展「須賀川の俳人 森川光郎」展は5月29日まで同館文化伝承の間で開かれている。初日の20日から俳句愛好者らが足を運び、関連資料に足を止めていた。
 森川さんは大正15年に市内で7人兄弟の4男として誕生し、現在96歳。桔槹同人であった叔父竹内翠玉に生まれて初めて詠んだ俳句を褒められ興味を持ち、昭和25年に桔槹吟社、同30年に鹿火屋に入会した。俳誌「桔槹」編集長などを経て現在も代表を務める。句集に「春耕」、「須賀川」、「遊水地」、「町空」などがある。
 今回は一世紀の歴史を連綿と受け継ぐ俳誌「桔槹」とともに歩み続けてきた、森川代表の軌跡や同時代を生きた俳人らとのつながりを色紙や扇子、額装、屏風、句集など全て手書きの作品約80点で紹介している。
 松明あかしと牡丹焚火を題材に詠んだ代表作の一つ「須賀川に火祭り二つ冬が来る」の色紙をはじめ、春夏秋冬に分けて展示したほか、自身の母親や妻と死別した心境をつづった句、大正時代を代表する俳人飯田蛇笏の4男で俳誌「雲母」主宰の龍太氏(2007年没)との交流などもあわせて展示した。
 初日午前は森川さん本人も来場し、自筆作品がずらりと並ぶ会場をひと目見て「これほどまでに作品が並ぶとまいっちゃうな」と照れ臭そうに話し、来場者らの笑いを誘う、陽気で人好きのする人柄がうかがえる一幕もあった。
 会期中は展示作品に関する「クイズラリー」を先着30人で実施し、全問正解者にはオリジナルグッズをプレゼントする。
 関連事業として、今月22日と5月27日に「100年を寿ぐ~シリーズ連句の試み」、同18日と25日にすかがわ大人塾「墨を遊ぶ」、今月30日に昨年度須賀川市俳句ポスト表彰式を同館郷学の間で予定している。
 開館時間は午前9時から午後5時まで。入館無料。問い合わせは風流のはじめ館(℡72―1212)まで。

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