「このぐらいなら」が虐待のもと 障がい者への防止体制強化 3市町村関係者の研修会

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    虐待防止に向け理解を深める参加者たち

 須賀川・岩瀬の3市町村による須賀川地方障がい者虐待防止研修会は21日、市役所大会議室で開かれ、各自治体の福祉関係施設や行政担当者ら約40人が講義とグループワークで虐待防止に向けた取り組みに理解を深めた。
 昨年度の障害福祉サービス等報酬改定により、各事業所単位で従業者への研修実施、虐待防止委員会の設置、虐待防止等の責任者の設置を今年度から義務化する運営基準が盛り込まれた。
 研修会は障がい者虐待に関する基礎理解や、虐待防止委員会の役割、支援体制のあり方などに理解を深めることを目的に開いた。
 始めに佐藤栄司市社会福祉課障がい福祉係長が昨年度の虐待について説明した。市内の通報件数は8件、対象者数6人、認定数3件で、このうち1件は福祉施設従事者等による虐待、そのほかは養護者によるものだった。鏡石町は養護者による虐待が1件、天栄村はなかった。
 講義は市障がい者虐待防止センターの深谷勝仁管理者が「障がい者虐待に対する基礎理解、虐待防止委員会の役割や在り方について」をテーマに解説した。
 障がい者に対する虐待は「人としての尊厳を傷つける行為」である。しかし虐待についての知識がないとそれに気づけないケースもある。
 虐待は大きく5つに分類され、身体的虐待は暴力的行為などで身体にあざ、痛みを与えたり、外部との接触を意図的、継続的に遮断する。
 ネグレクトは支援・生活世話を行う家族がその提供を放棄・放任し、障がい者の生活環境や身体・精神的状態を悪化させる。
 心理的虐待は脅しや侮辱、態度などで精神的、情緒的苦痛を与える。
 性的虐待は合意が形成されていないあらゆる形態の性的な行為またはその強要をする。
 経済的虐待は本人の合意なしに財産や献せんを使用し、本人の希望する金銭の仕様を理由なく制限する。
 虐待防止の近道には、「このぐらいは虐待ではない」と受け流す不適切なケアを防ぐことが重要となる。
 しかし虐待者も障がい者も虐待に無自覚である場合もあるため、チームでの支援による客観性の確保が求められる。
 深谷管理者は「虐待かもしれないという疑いがあれば、どんな小さなことでも早めに連絡してほしい」と呼びかけた。
 その後、出席者がグループに分かれ、虐待防止に向けた事業所での課題や伝達研修の内容などに意見を出し合った。