「芭蕉の白河越え」記念講演
桔槹吟社主催の牡丹俳句大会は8日、県内各地から俳句愛好者ら105人が参加してtetteで開かれた。大賞に塩田和子さん(鏡石)の「大輪の牡丹の渦を解く朝日」が選ばれた。
須賀川を代表する牡丹園の最盛期に合わせて毎年俳句大会を催しているもので、今年は俳誌「桔槹」創刊100年を記念して、講師に俳誌「古志」全主宰の長谷川櫂さんを迎え、「芭蕉の白河越え」をテーマに、白河の関や須賀川を芭蕉・曽良師弟が詠んだ句などを紹介した。
俳句大会成績は次の通り(選者特選句は後日掲載)。
▽大賞=塩田和子(鏡石)「大輪の牡丹の渦を解く朝日」▽市長賞=有馬洋子(須賀川)「想ひみな母に繋がる白牡丹」▽観光物産振興協会長賞=野崎キン子(玉川)「海へ向く合唱の影三月来」▽牡丹園保勝会賞=古河ともこ(須賀川)「放たれし牛のなが鳴き下萌ゆる」▽文化団体連絡協議会賞=陽田勇一(郡山)「花筏藁一本に乱れけり」▽県俳句連盟賞=水野イチヨ(須賀川)「緑さす升目大きなノート買ふ」▽俳人協会県支部賞=髙市宏「山に折り谷に折られて紙雛」▽福島民報社賞=彦坂寿子(矢板)「ぐんぐんと鮎少年を男にす」▽福島民友新聞社賞=安藤スミ子(須賀川)「ひと刷けの雲三月の水の色」▽商工会議所会頭賞=深谷栄子(須賀川)「園丁の背に春光の惜しみなく」、高橋富子(同)「桔槹を紡ぐ百年牡丹咲く」、石山たま江(同)「飛び石の丸や四角や水温む」▽須賀川信用金庫賞=佐藤健則(須賀川)「風車影の遅れてまはりだす」、内山ケイ(同)「花冷えやゴジラにもある足のうら」、金子秀子(同)「遠く去る祭のごとく野火走る」▽阿武隈時報社賞=武藤主明(会津若松)「みちのくは鬼門にあらず牡丹咲く」▽マメタイムス社賞=武田貴志(郡山)「石集めする子もゐたり運動会」▽ウルトラFM賞=大河原真青(郡山)「被爆地の上澄みの空鳥帰る」▽桔槹吟社賞=江藤文子(須賀川)「竜天に登るきらきら塩むすび」、同「子を連れて風を見にゆく春休み」、野崎キン子(玉川)「衿先をシュッとアイロン風光る」、ほづみゆきこ(矢吹)「父の日の父似の耳を愛しめり」、石山たま江(須賀川)「人の世へ暗渠をくぐる春の水」、久保悦子(同)「百あらば百の陽だまり藪椿」、金子秀子(同)「千年の寺沈みゐる桜かな」、永瀬十悟(同)「新しき水を吸ひ上げ牡丹の芽」、小川美利(同)「新樹光ひらきかけたる赤子の手」