ヘルメットを被り自転車通学する生徒
新学期が始まって1カ月が過ぎ、自転車で登下校する生徒や進学を機に自転車に乗り始めた子どもたちも運転に慣れ始めている。一方、須賀川市内では7歳児が交差点で乗用車とぶつかり、重傷を負う交通事故が発生するなど、自転車・自動車とも油断ならない状況となっている。5月は自転車安全利用月間であり、改めて県自転車安全利用五則の徹底など、ルール・マナーの遵守が求められている。
須賀川署によると昨年1年間に自転車が関係する交通事故は、人身事故7件、物件事故39件発生した。
人身事故の発生時間は午前9時台に2件、午後1時から3時台に5件と、すべて日中に発生している。
年代は小学生、高校生、大学生が1人ずつで、そのほか30代、40代、60代が事故に遭った。
発生場所は交差点が6件、歩道が1件だった。
須賀川署は先の重傷交通事故発生を受け、続発防止に注意を呼びかけている。
大越博夫交通課長は「自転車が被害に遭う最も多い場所が交差点。ドライバーは交差点付近での安全確認を徹底し、特に自転車や歩行者がいるかどうかしっかり確認してほしい。また自転車は道路への飛び出しを絶対にせず、横断の際は自動車が来ないことを必ず確認してほしい」と事故防止に協力を求める。
また万が一事故が発生した場合、特に未成年者は動転してドライバーに対し「大丈夫」と立ち去ろうとすることも少なくない。それを見過ごした場合、ひき逃げや当て逃げとなるため、ドライバーは通報義務を怠らないよう対応する必要がある。
須賀川地区交通3団体は原点回帰スローガンの「須賀川・岩瀬地方からはじめよう交通安全」のもと、子どもたちを悲惨な事故から守るため、啓発用冊子など配布している。
冊子では交差点横断時に必ず一時停止し、自動車が来ないか確かめることなど呼びかけ、保護者に対しても子どもの自転車管理の徹底や必ずヘルメット着用させるなど協力を求める。
県や各自治体の交通対策協議会は、自転車安全利用月間に合わせ、県自転車安全五則の再確認を促す。
五則は①自転車は車道が原則、歩道は例外②車道は左側を通行③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行④安全ルール・マナーを守る⑤被害軽減のためヘルメット着用に努める。
安全ルール・マナーは特に、飲酒運転・二人乗り・並進の禁止、夜間のライト点灯・反射材着装、交差点での信号遵守と一時停止・安全確認、運転中の携帯電話・ヘッドホン使用、傘さし運転の禁止を求める。
なお今年4月から自転車損害賠償責任保険等への加入が義務化された。