田善の魅力たっぷり解説 没後200年特別講演会

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    田善の解説に関心を寄せる受講生たち

 須賀川市立博物館の亜欧堂田善没後200年記念の特別講演会は29日、tetteたいまつホールで開かれ、日本美術史学者で府中市美術館の金子信久学芸員が「田善のすごさと面白さ」をテーマに同時代の画家の作品と比較し、田善が受けた影響やにじみ出る特徴などをたっぷりと解説した。
 金子さんは東京都出身で、慶應義塾大文学部哲学科美学美術史学専攻卒業後、福島県立美術館学芸員など経て府中市美術館に勤める。
 江戸時代絵画史を専門としており、同美術館で実施した「亜欧堂田善の時代」の企画と図録論文で第18回倫雅美術奨励賞を受賞した。
 田善について「西洋へのあこがれという文脈で語られることもあるが、西洋からの影響だけでは説明しきれない部分も多く、日本画の技術を土台に田善独自の面白さを西洋風に表現している。私にはそれが、田善が参考にした西洋画より心和ませるものに感じられ、より魅力的に思う」と説明した。
 また田善の生涯を松平定信に起用される前後に分けて解説し、舶載画や司馬江漢、谷文晁、月僊など田善が学んだ作品と田善自身の作を比較し、類似や差異を示した。
 作品の魅力として細部に行き渡る表現や線の濃淡を生み出す銅版画の技術、実景や見本通りに描かず、構図や対象にオリジナリティを加える特徴などあげた。
 受講者らは改めて知る田善作品の読み解き方に関心を寄せ、熱心にメモをとる姿もみられた。
 なお企画展「銅版画の世界展」は5日まで、田善の代表的な銅版画から珍しい油彩画、後世への影響を示す資料や市内での顕彰の取り組みなど、関連資料が一堂に会している。
 問い合わせは同館(℡ 0248-75-3239 )まで。

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