手押しポンプ井戸を楽しむ子どもたち テープカットで落成を祝う関係者たち
鏡石町の鳥見山公園西部に隣接して新設された鏡石浄水場の落成式は2日に行われ、関係者や町の将来を担う子どもの代表者らが、住民生活に欠かせない大切な水をより安全・安心に提供できる新施設の完成を祝った。
旭町浄水場の老朽化に伴い、第5次拡張事業として令和元年から着工し、本体工事が今年4月末で完了した。武田コンサルタント(福島市)の設計、水道機工(仙台市)の施工で、工事費総額は今年3月末現在約31億5018万円。
新たな浄水場は地下水をくみ上げ、薬品などで処理して配水される。地下水にはマンガンや鉄が含まれるが、最新の前処理ろ過機や急速ろ過機でできる限り除去することで、これまで以上に透明度の高い安全・安心な水を各家庭に届けられるようになる。
給水量は1日最大3509立方メートルで旭町浄水場の1・5倍の機能を有し、より安定供給が図れる。
また震災時に断水を余儀なくされた経験を踏まえ、耐震性も強化し、災害時に応急給水のため100台が駐車できるスペースも備えるなど、ライフラインを守る重要な拠点となる。
試験運転や旭町浄水場との切り替え作業を終えた後、秋頃までの供用開始を目指す。
落成式で遠藤栄作町長は施設の特徴など紹介し、「今後も町水道ビジョンの基本方針『うるおいのある生活環境の向上を図るため、安全で安心な水の安定供給と安定水源の確保』に根ざした水道運営を進めていく」と述べた。
大河原正義上下水道課長が工事概要を説明し、古川文雄町議会議長が祝辞を述べ、施工者の古川徹水道機工社長があいさつした。
地権者として協力した丸山稔さん、鎌田清さん、石森泰子さんに遠藤町長が感謝状を渡した。
岩瀬農業高の酒井睦月さん、山邊綾音さんが遠藤町長らにベゴニアのプランターを贈呈した。
テープカットは遠藤町長、古川町議会議長、古川社長らのほか、鏡石保育所の久保木湊ちゃん、滝口景太ちゃん、大河原かれんちゃんと酒井さんら高校生も加わり、記念すべき完成を祝った。
浄水場敷地内には水道機工が寄贈した釣瓶井戸と手押しポンプ井戸が置かれた広場「鏡水苑(きょうすいえん)」があり、子どもたちが水汲み体験などで水の大切さを学ぶことができる。
鏡水苑の名称とロゴマークは町在住の絵本作家菊地清さんが発案した。
式典が終わると早速、子どもたちは手押しポンプ井戸を試し、勢いよく出る水に大はしゃぎしていた。