「本町屋台」が須賀川市有形文化財に指定 半世紀ぶり再建した江戸時代の舞台

文化

  • 画像
    半世紀ぶりに再建した本町屋台(2020年10月撮影)

 須賀川市本町町内会と日大工学部建築学科が協力して一昨年、半世紀ぶりに再建した「本町歌舞伎屋台」と関連資料が市有形民俗文化財指定を受けた。5月26日に指定告示した。
 本町歌舞伎屋台は須賀川古事来由記録など江戸時代の古記録や古文書などによると、神炊館神社祭礼に合わせて披露されてきた屋台の一つ。江戸時代の須賀川宿は秋季祭礼に合わせて各町の屋台で狂言や子どもたちによる舞踏などが披露されてきた。
 再建した本町歌舞伎屋台は寛保2年(1742年)から寛政4年(1792年)に書かれたと推定される古文書に関連記載が確認でき、この頃から同町で所有していたと考えられている。
 明治以降も屋台披露は続いたが、明治24年(1891年)の須賀川大火や明治31年(1898年)の衝突事故などで損傷したが、明治33年(1900年)頃に大規模な修繕が加えられた。
 半世紀ぶりに再建した本町屋台は、当時の微細で鮮やかな彫刻も良好な状態で保存され、高さ6㍍、幅5㍍、奥行き7㍍あり、舞台部分は1本の主軸で360度回転する回り舞台の特徴が確認できる。
 本町町内会に伝わる本町文書によると、「踊屋台」「手踊屋台」「花屋台」などの名称で呼ばれながら、神炊館神社神社祭礼など昭和44年(1969年)まで定期的にお披露目されていた。
 国道118号線開通など、道路事情の変化など諸事情で組み立てて披露されることなく、分解され町内の倉庫で保管されていた。
 同町内会ではまちおこしの一環で長年、本町歌舞伎屋台再建に向けて準備を進めてきたが、令和2年(2020年)に近藤次雄前町内会長が中心となって保存会を立ち上げ、日大生と星野工務店の協力を得て、約1カ月半をかけて全186の部材を組み立てて再建した。同年10月に木之崎の川合運輸倉庫で特別公開した。
 昨年末から今年1月にかけて、tette通りで一般公開と県雅楽会の雅楽演奏を披露した。
 市文化財保護審議会は5月11日、現在でも舞台が回転するとともに彫刻なども良好な状況で保存され、祭屋台の特徴を現認できる貴重なものであるため、屋台の保護を図り他の屋台の実態解明にも大きく寄与することから市指定文化財指定を答申した。
 同26日付で本町歌舞伎屋台と関連資料として明治から昭和時代の本町文書710件と屋台披露に合わせて奉納した鉾と旗4組の市文化財指定を告示した。
 文化財指定を受けて近藤保存会長は「(文化財指定は)長年の夢でした。これを一つの契機に次世代に文化を引き継ぐまちづくりにつなげていければ。須賀川の文化をこれからも大事にしていきたい」と話している。