考えることの大切さなど伝える新実さん
須賀川創英館高の合唱部と校歌作曲者である新実徳英さんとの交流会は4日、同校で開かれ、楽譜や歌詞に込めた意味を考えることの重要さや、音楽の持つ力について部員たちが学んだ。
今年4月に開校した同校の校歌は作曲を新実さん、作詞を和合亮一さんが担い、若々しく未来へ突き進む明るいメロディに、「ぼたんの花」「松明」「種のあじさい」「やまゆり」など須賀川・長沼を想起させる歌詞を載せる。
交流会は部員15人が新実さんを歓迎し、初めに校歌をアカペラで披露した。
新実さんは自らピアノで伴奏を弾いたり、メロディを口ずさみながら、冒頭の「さがす さがす」がスタッカートになっている意味や、「宇津峰の星」など歌詞の意味を生徒たちに問いかけ、「この歌詞には和合さんの世界観、人間観が込められている。何事にも理由があり、それを想像し、考えて、自分の答えを見つけてほしい。歌詞と音のイメージを自分でつかむことで、表現は深まっていく。それを体験してもらいたい」と力説した。
また「これから社会に出る上で、自ら疑問を抱き考えることは重要で、私は音楽を通じてそうした人間にとって一番大切な真理を学ぶことができると思っている」と述べ、若者たちにエールを送った。
そのほか、校歌をベートーヴェンの田園と同様にヘ長調で作った理由や、四拍子になっている意味など、部員たちが考える上でのヒントを伝えた。また東京大工学部から東京芸大音楽学部に移った学生時代の苦労話なども紹介し、「これからも校歌を元気に歌ってください。またいつか会いましょう」と締めくくった。
間弓明日香部長は「新実先生が歌に込めた思いなどしっかり考え、7月31日の定期演奏会で地域の皆さんにも披露したいです」と述べた。