11月12日に3年ぶり複数本の松明あかし 学校や町内会などに協力依頼 観覧者の五老山入山も

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    3年ぶりの複数本・有観客開催を決定した実行委員会

 須賀川の晩秋を代表し冬の季語として角川歳時記にも収載されている「松明あかし」は3年ぶりに複数団体(令和元年参加25団体募集予定)の松明を翠ケ丘公園五老山山頂に立てて11月12日に開催する。観覧者の五老山への入山は可能とするが、松明行列など各種催しや露店などは予定していない。
 松明あかしは戦国時代に須賀川地方を治めていた二階堂家と奥州の雄伊達家との戦で命を落とした犠牲者の冥福を祈り、山頂に20本以上の松明を立てて点火する、全国でも珍しい奇祭。
 コロナ感染防止のため令和2年、3年は「松明をもり立てる会」に1本の松明製作を依頼し、伝統を継承する目的で無観客点火し、当日はウルトラFMやYouTubeで生配信するなどした。
 今年は感染防止のために松明通りでの大松明・姫松明行列、松明点火前の小松明行列、まちなかや翠ケ丘公園でのおもてなし・イベント広場、会場周辺の露店は見合わせる予定。
 伝統を継承する目的で、3年ぶりに松明を五老山山頂に複数本立てる計画で、令和元年にイベントに参加した市内学校や町内会・行政区、企業など25団体に募集を呼びかける。
 今月21日午後3時から説明会を市役所で開き、製作や当日などに対応したコロナ対策マニュアルを配布して注意喚起し、各団体が参加するかどうか検討を促す。参加の有無は7月中旬頃までに意向調査して決定する。
 各種イベントは見送る予定だが、二階堂神社での御神火奉受式や翠ケ丘公園駐車場での松明太鼓演奏は実施を計画している。
 松明あかし実施に向けた第1回実行委員会が10日、関係団体の約30人が出席して市役所で開かれた。
 実行委員長の橋本克也市長は「松明あかしは例年、県内外からたくさんの人がお越しになる観光行事であるとともに、この地を築いた先人たちの慰霊のため多くの人により世代を超えて受け継がれてきた伝統行事です。コロナ禍の困難な状況の中、安全を最優先に考え、どのように継承するか皆さんと一緒に検討してまいりたい」とあいさつした。