「紀州」などを語った幸丸さん 「看板のピン」で笑いをかっさらう翔丸さん
須賀川市出身の落語家桂幸丸さん、翔丸さん師弟による3年ぶりの落語会は27日、約180人が来場してグランシア須賀川で開かれ、古典落語や新作落語、紙切り芸などが披露され、笑いと拍手に包まれた。
幸丸さんの地元落語会はコロナ禍で3年ぶり、師弟そろっての出演にふるさとの岩瀬地域だけでなく市内外から多くの落語ファンが駆けつけた。
陽気な出囃子にのって最初に翔丸さんは丁半博打を元ネタにした古典落語「看板のピン」を語った。ふるさとへの思いとともに「来年の真打ち昇進が決まりました」と笑顔で報告すると会場からは温かい拍手が送られた。
ゲストに紙切り芸の林家喜之輔さんを迎え、独特なのんびりとしたおしゃべりに乗せて、客席からリクエストのトラや鳳凰、ウルトラマンなどを披露して笑いを誘っていた。
幸丸さんは新しい5000円札モデルの津田梅子を題材にした新作落語「津田梅子伝」と徳川8代将軍継承にまつわる古典落語「紀州」の2席を披露した。
軽妙なふくしま弁まじりの語りに加え、「全身の免疫力を上げるために無理に笑って」などの冗談をちりばめ、落語のオチとともに大爆笑につなげていた。
幸丸さんは昭和29年須賀川市(旧岩瀬村)出身。昭和52年に日大文理学部国文学科卒業。大学2年時に桂米丸に入門し、昭和55年二ツ目昇進、平成2年に真打ち。福島の方言を交えた軽妙な語り口がユーモラスで、ふるさと福島ゆかりの偉人を題材にしたオリジナル落語シリーズをはじめ、古典落語も得意とする。
桂翔丸さんは昭和55年須賀川市生まれ。平成21年に桂幸丸さんに入門、平成25年に二ツ目昇進。寄席のほかふるさと須賀川のイベントで落語を披露するなど人気が高い。来年の真打ち昇進が確実視されている。