「こぶなら」にたどり着いた参加者たち
天栄村の湯本森・里研究所の「こぶならガイドツアー」は26日、幹周りが7・46㍍で日本一とされるミズナラの巨木を見学し、ニホンジカによる食害の恐ろしさや自然保護の重要さなどを学んだ。
村内や郡山市から8人が参加し、二岐温泉?山荘前駐車場から約1時間半の山道を歩いた。
県環境アドバイザーでもある星昇代表理事と、県野生生物保護アドバイザーの岩崎雄輔理事がガイドを担い、道中で見つけたギンリョウソウやヤマオダマキなど季節の花を解説した。
またツキノワグマがオオヤマザクラの実を食べた痕跡や、リスによるオニグルミや松ぼっくりの食痕なども見つかり、参加者らは山に生きる自然動物の生活を思い描いた。
山中には昭和に使われていた炭焼き窯の跡も点在し、炭焼きに入った地域住民が「こぶなら」を発見し、太さ故に伐採できないため保全のため周囲の樹も含めて残したこと、昨年に同研究所と湯本小の児童らが「こぶなら」の太さを計測し、ミズナラとして日本一であることがわかったことなど星代表理事らが説明した。
「こぶなら」にたどり着くと参加者らは歓声を上げ、長い月日を生き残った巨木に感銘を受けている様子だった。
また周辺の木々は表面がニホンジカにより食べられ、はがされているものもあった。
一周はがされると樹は朽ちてしまう仕組みなども解説し、ニホンジカの増加で周辺の植生が甚大な食害を受けていると伝え、自然保護の重要さや難しさを考える機会となった。
なお同研究所では今後も地域の自然や歴史を紹介するツアーを計画しており、7月2日から26日までは「ホタルの観察会」を実施する。
湯本地区には無農薬でコメを栽培する棚田があり、そこでゲンジボタルやヘイケボタルを観察できる。
参加費は500円。
申し込みはイベント予約サイト「SELECT TYPE」からのみ受け付ける(https://select-type.com/s/?s=tzizkMIJP3Y)。
問い合わせは星代表理事(℡070―5433―4074)まで。