現在の上人壇廃寺跡(4日撮影)
須賀川市は国史跡指定「上人壇廃寺跡」の史跡公園化と令和8年度供与開始に向けて、公園活用部会公開オンライン学習会を20日午後2時から午後4時半まで開講する。市役所4階委員会室と市立博物館図書室で聴講できるほか、パソコンやスマートフォンでも参加できる。
上人坦廃寺跡は須賀川駅東西自由連絡通路など西地区整備事業に位置し、奈良時代に創建された寺院跡が発掘調査などで確認されている。
全国的に類例が少ない六角瓦塔(がとう)、平安時代の金鼓や経軸端などが出土しただけでなく、1辺約80㍍の二重溝跡の中に南門、金堂、講堂が南北に並ぶ特異な建物遺構により、当時の東北地方寺院実態の一例として昭和43年に国史跡指定を受けた。
市は貴重な史跡を後世に伝えるため、昨年7月に整備委員会活用部会を発足し、「上人壇廃寺跡史跡公園(仮称)」整備に向けて基本計画策定などへ準備を進めている。
今回の公開オンライン学習会は、国史跡として市内外から長く親しまれる史跡公園となるよう、多くの関心を集める目的で一般の観覧を広く募集する。
なぜこの地に寺院が置かれたのか、奈良時代の仏教寺院ではどのようなことが行われていたのかなど、当時の様子を知り、史跡の本質的価値の理解を深める目的で「奈良時代の仏教と政治」をテーマとする。
整備委員会委員の三上喜孝国立歴史民俗博物館教授が「奈良時代の仏教 上人壇廃寺跡の時代(仮題)」、同委員長の佐川正敏東北学院大文学部教授が「奈良時代の寺院 遺構・遺物から上人壇廃寺跡を考える(仮題)」を約50分ずつ講義し、30分程度の質疑応答の時間も設ける。
一般参加は無料。市役所、市立博物館は各30人で、定員になり次第申し込みを締め切る。
個人のパソコンやスマートフォンで視聴する場合は、聴講用のURLを送信するため、申し込み時にメールアドレスも連絡する。オンライン聴講用にアプリをダウンロードする必要はない。
問い合わせは市文化振興課文化財係(℡ 0248-94-25152 )まで。