玉串をささげ成功を祈願する樽川社長
天栄村のアルファ電子(樽川久夫社長)は米粉麺「う米めん」の自社製造に向け、須賀川市大桑原の須賀川工場の一部を改修し、焙煎や精米から製麺まで全工程を一貫して行う自社工場を完成させた。竣工式は7日に行われ、8月からの自社製造麺販売に向け社員の思いを一つにした。
電子部品製造をメイン事業とする同社は、社内改革の一環として2019年からグルテンフリーの製品を開発・販売し、はたけんぼや道の駅などの店舗、ECサイト(https://umaimen.net/)などインターネット販売で好評を得ている。
これまで製造を宮城県の会社に委託していたため、自社工場の完成は悲願の一つだった。
延べ床面積2000平方㍍の工場には玄米用の焙煎や白米の精米、製粉、製麺、寝かせるための冷蔵、麺の切り出しやパッケージングと、米から製品を作るまでの全工程を行う設備を備えた。
スタッフ6人が1食120㌘の製品を1日最大2000食製造できるという。
また自社製品を作るだけでなく、他社の米粉麺、米粉、ライスペーパーなどの製造も請け負うOEM事業も可能とアピールする。
竣工式は樽川社長をはじめ役員や従業員、工事を請け負った荒牧建設の荒牧幸雄社長らが出席し、玉串をささげて新たな出発の成功を祈った。
「う米めん」事業の中心を担う樽川千香子専務は「多くの人の支えにより、3年間でここまでくることができた。関係者の期待に応えられるよう、社員一丸となって麺作りに取り組みたい。そして県内の米農家の支えとなり、さらに地域の発展につながる事業にしていきたい」と意気込みを話す。
今後、ISO22000(食品安全)取得など製造業で培ったノウハウを存分に発揮しながら、同社の新たな柱としての事業確立を目指す。
また昨年好評だったレシピコンテストや製品の「県民割」、給食の提供などにも意欲をみせる。