暗闇に光る「ヤコウタケ」 保全活動が実を結ぶ 天栄村湯本地区で2年ぶり確認

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    暗闇に光るヤコウタケ

 県内で唯一、天栄村湯本地区でのみ自生が確認されている県絶滅危惧Ⅰ類のヤコウタケが2年ぶりにその姿を現した。観察会は20日、保全活動に取り組む湯本森・里研究所と湯本小児童らが参加し、暗闇の中でほのかに光る希少なキノコを愛で、活動が実を結んだ喜びを分かち合った。
 ヤコウタケは同研究所の岩崎雄輔理事が2008年に同地区の山林の朽木で発見し、東北でも初めての自生確認となった。
 自生地は昨年、砂防ダムの建設工事範囲となったため、同研究所が保護のため朽木を移動していた。
 しかし環境の変化のためか、昨年は子実体(キノコ)の発生が確認できなかった。
 再び発生できる環境を整えるため、同研究所は今年4月、湯本小の森林環境学習の一環として全児童4人とともに、湿度などの条件が以前の自生環境に近い場所へ朽木を移動する保全活動を実施した。
 今回、観察会に参加した児童らは暗闇に光るヤコウタケの姿に「きれい」「かわいい」など歓声を上げて喜び、「自分たちの活動でまた見られるようになってうれしい」と感想を述べていた。
 星昇代表は「子どもたちに、自分たちの活動が地域の魅力を守ることにつながると体感してもらえてよかった」と述べた。また湯本地区にはこのほかにも多くの希少種が確認されていることを踏まえ、「今後はより積極的に必要な機関と希少種に関する情報共有を図っていきたい」と環境保全に意欲をみせた。