お盆頃に掘削完了見込みの西川中央公園 せせらぎ小川の説明を受ける橋本市長たち 来月から着工予定の東西自由連絡通路建設地
須賀川市の橋本克也市長と安藤基寛副市長は20日、駅西地区都市再生整備事業地(西川中央公園、駅西地区)と翠ケ丘公園再開発事業地を視察した。
西川中央公園は令和元年秋の台風19号で地域が甚大な浸水被害を受けたことを受け、住民の逃げ遅れ防止を目的に、敷地内に多目的広場を最大2㍍掘り下げ、内水対策で最大2万5000㌧の雨水を一時貯留する。
貯水は釈迦堂川への排水機能を上回る状況に陥った場合の緊急対策で、多目的広場の掘り下げ工事はお盆頃には完了する。
公園整備は地元住民とのワークショップを複数回開き、工事完了後の公園利用の利便性向上も兼ねる。多目的広場の緑化・舗装は、1周約450㍍のウオーキング・ランニングコース、健康遊具や盛土芝生滑り台、遠隔監視カメラや浸水注意サインなどの防災施設も整備する。
釈迦堂川堤防整備に伴い伐採されたサクラの木は園内あずまやなどで再利用するほか、公園北側には新たにサクラの苗木を植樹する。
事業は年度内完了を見込み、令和5年春からの利用を計画している。
翠ケ丘公園は芦田塚地内のいこいの広場やわんぱく広場など約3㌶に、カフェや温浴施設などを整備する。市と公募設置管理制度の基本協定を締結したあおい(菊地大介社長)が事業展開し、建設中のカフェ施設は今秋、温浴施設は年度内の完成を予定している。
温浴施設は老朽化で解体した旧老人憩の家後継施設として建設、現在はポンプ施設を工事、館内は基本的に旧憩の家と変わらないが、洗い場や浴槽は従来よりも広くなり、新しくサウナや露天風呂を増設する。来春のオープンを見込む。
整備の一環として散策路わきにせせらぎ小川を新設、新池から水をポンプアップし、日大工学部と協働した4層の浄水設備を通し、子どもが水遊びしても安全な空間を提供する。
カフェ施設は屋内外に70~80席を設置し、外壁は周辺環境と調和を図る樹木調をイメージしているが、具体的な色や材料は現在検討中。室内は吹抜けの開放的なスペースとなり、お茶を飲みながらわんぱく広場で遊ぶ子どもたちや屋外ステージを見渡せるようになる。
近隣市町村からもイヌの散歩に訪れる来園者が多いことから、飼い犬同伴でお茶を楽しめる席も設ける。工事は9月頃に完了し、11月頃のオープンを予定している。
駅西地区は現駅舎西側に来月から整備工事がスタートする東西自由連絡通路をメーンに令和7年度供用開始を目指すもので、バリアフリーに対応して東西両側にエレベーターと上り用エスカレーターを設置する。
駅改札は連絡通路2階部分に配置し、ホーム用のエレベーターも上下線に配備し、既存駅舎は観光情報発信拠点として再利用する。
現在の須賀川駅周辺地区は朝晩の通勤・通学時間帯を中心に交通渋滞が深刻で、この緩和と地域振興を目的に市とJRが整備に取り組んでいる。
国道4号と駅西地区を結ぶ東西循環道路は、自由連絡通路など工事完了後の令和8年度の全線開通となる。
駅西地区には新たな市の玄関口として、公園整備や循環道路と接続したロータリーなどを新設する。
西側通路出入り口に直面する駅エリアのシンボルツリー・ソメイヨシノは整備工事に伴い、長寿命化と整備を目的に一部枝の伐採や下草刈りなどを計画している。