須賀川市に世界的総合化学企業BASFジャパンが進出 作物遺伝子組み換えほ場に

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    BASFが市内に取得した土地

 須賀川市の橋本克也市長は29日の定例記者会見で、須賀川市虹の台の市テクニカルリサーチガーデン(以下TRG)企業用地を世界的総合化学会社・BASFジャパン(石田博基社長・本社東京)に分譲すると発表した。これまで市内に進出してきた企業のうち最大規模と市場を誇る世界的総合企業の誘致に、同社との連携でSDGsとスマート農業のさらなる進展が期待される。
 市とBASFジャパンとの土地分譲にかかる基本協定は26日に締結済みで、9月1日開会の9月議会での議決をもって契約を見込む。
 契約地はTRGで最も北奥に位置するR区画で、約1万5378平方㍍を9668万4357円で売却する。企業用地の一部は土砂災害危険区域に該当するが、事前説明し両者合意の上での売買となった。
 BASFジャパンはTRG分譲地で、海外で販売認可を取得済み遺伝子組み換え作物の国内認可取得に向けた試験栽培を行うほ場と管理事務所を整備する。
 今回取得したR区画はTRGでも高台にあり周囲に田畑がないため、試験作物と周辺作物影響との相互影響(混在・混入など)が発生しづらい環境にあると判断された。
 同様の事業はこれまで茨城県のほ場で操業してきたが、同社が有する土地が賃貸契約を結んでおり、更新時期を迎えるタイミングで自社保有地での操業に向けて候補地を模索していた。
 現段階での着工整備とほ場運用・操業時期は未定だが、市では世界的総合化学企業関連事業の進出に、市内産業への波及効果に期待を寄せている。
 今回のBASFジャパンの企業用地分譲により、TRGは全19区画中16区間を販売し、分譲率は82%となる見通し。
 BASFはドイツ・ルートヴィッヒハーフェンに本社を置く世界的総合科学会社。持続的な将来のために化学でいい関係を築くため、様々な分野にグローバル進出し、全世界で約11万人の社員を有する。
 日本市場には明治21年から進出し、自動車、建設、医薬品・医療機器、電気・電子、包装材、農業・食品などあらゆる産業で貢献し、東京本社を含め国内5社のグループ会社を展開している。