満開を迎えたキンモクセイ
まもなく開館2周年を迎える風流のはじめ館入り口のシンボルツリー「キンモクセイ」が満開になり、芳しく甘い香りが近隣住民や講座受講者、テーマ展観覧者らを楽しませている。
キンモクセイは奥の細道で須賀川に7日滞在した松尾芭蕉を歓待した豪商で文化人の相楽等躬を祖に持つ相楽本家が代々受け継いできた古木。
古くから香りが九里(約36㌔)離れた場所まで届くとのいわれから別名「九里香」とも呼ばれる。須賀川が誇る女流歌人市原多代女がキンモクセイを詠んだ「坂町や木犀の香に向ふ風」など句集・たよ女全集に収められている。
今年のキンモクセイは不安定な天候の影響で開花が昨年に比べて遅れ気味だったが、先月後半から朝晩の冷え込みで秋に移り変わり始めた季節に誘われるように花が開き始め、満開を迎えた。
淡いオレンジの花に包まれた光景を、しきりに写真撮影したり、じっくりと足を止めて句作にふけるなどの姿が見られ、たくさんの来館者が香りを堪能している。