本格的に色づいた新池周辺のモミジ
「秋の紅葉月間」イベント開催中の須賀川牡丹園内の紅葉が最盛期を迎え、11年ぶりに屋根のカヤを拭き替えた入り口正面や新池周辺のモミジが真っ赤に色づき、市内外から写真愛好家や家族らが足を運び色とりどりの園内をたん能している。
須賀川牡丹園は明和3年(1766年)に薬種商を営んでいた伊藤祐倫が薬用のために牡丹の苗木を摂津国(現宝塚市)から持ち帰り栽培したのが始まり。
明治期に柳沼家が管理運営を受け継ぎ株数を年々増やし、現在は5月頃、10㌶の園内に290種7000株の古木などが咲き誇る。昭和7年(1932年)には全国唯一の国指定名勝に選ばれ、今年は90年を迎えた。
牡丹園内は牡丹や白フジ、サクラ、チューリップなど百花繚乱が咲き競う春をはじめ、新緑の木々を吹き抜けるさわやかな風や蝉時雨が楽しめる夏、現在最盛期を迎えた紅葉と寒牡丹が楽しめる秋、新池周辺や牡丹稲荷神社の鳥居を雪景色が包み込む冬など四季折々の魅力を発信し、年間を通して市内外から観光客が足を運ぶ。
紅葉月間イベントは今年で3年目を迎え、園内各所で色づく紅葉のほか、毎週末に牡丹会館前広場にキッチンカーが出店し軽食を提供、またアロマワックス&ハーバリウム手作り体験講座を開講、23日まで週末・祝日を中心に参加予約できる。
19日午後4時半から天寿を全うした牡丹の枯枝を炎にくべて供養する「牡丹焚火(たきび)」を開く。
静かに暮れる秋の夕暮れと牡丹を包む炎のコントラストに全国の俳人が足を運び、「牡丹焚火」は冬の季語として歳時記に収載されている。
炎の勢いがおちつき始めると、牡丹をくべた炉から牡丹焚火特有の芳しい香りが立ち上り、幻想的な光景は環境省「かおり風景百選」にも選定される。
また同日午後4時から俳誌「桔槹」創刊100周年記念碑除幕式を牡丹園入り口で行う。
問い合わせは須賀川牡丹園(℡ 0248-73-2422 )まで。