大人の手を借りながら防災を学ぶ子どもたち
須賀川市社会福祉協議会の新規事業「災害への備え」出前講座は20日、北横田の清風荘で開かれ、市赤十字奉仕団の協力で地域住民33人が炊き出し訓練と災害図上訓練に一丸となって取り組み、万が一の事態に対する「共助」の力を高めた。
災害時には自分や家族の身を守る「自助」、自治体や消防、警察、自衛隊など公的機関による「公助」、地域やコミュニティなど周囲の人同士が協力して助け合う「共助」が必要となるが、いずれも災害に備え、事前に力を高めることが重要となる。
市社協は地域のつながりの再構築を図り、共に支え合う地域社会づくりを目指しており、その一環として今年度から出前講座を開始した。
須田俊弥区長のあいさつに続き、職員の講話では災害が多様化、激甚化していること、市内で大きな被害を及ぼした地震や大雨災害は今後も起こりうるため、地域ぐるみでの防災力向上が大切であることなどを解説した。
その後、参加者たちはハイゼックス袋を使った炊飯とアイラップを使ったサバ缶とトマト缶のカレー、コーヒーゼリー作りに挑戦した。
災害時は水やガス、電気が使えなくなることも予想される。ハイゼックスなどの包装食袋はメリットとして、お湯の中でも有害物質を出さない強化ポリエチレンでできていること、釜の水は雨水や泥水でも構わないことなどが挙げられる。
また袋で個別に水分量を調整できるため、通常の米とおかゆ、離乳食を同時に炊くことができる。さらに釜などが汚れないことも、水道が停止した災害時には利点となる。
参加者らは袋に米や水などを入れ、沸騰時に袋が破裂しないよう空気を抜きながら縛り上げ、大鍋で炊飯した。
子どもたちは保護者の手を借り、作業を楽しみながらも、いつ起こるかわからない災害に備え、経験を積み上げていた。
そのほか災害図上訓練は、実際に北横田の地図を卓上に広げ、災害発生時の危険箇所や避難経路、助け合えることなどについて意見を交わした。
なお市社協では出前講座を希望する町内会等を募集している。
所要時間は1時間半から2時間半程度で料金は無料。
問い合わせ・申し込みは市社協(℡ 0248-88-8211 )まで。