各自治体で免許返納後の支援 バス、タクシー料など助成 高齢運転者の悲惨な事故防止へ

交通警察須賀川市

 高齢ドライバーによる交通事故が全国的に後を絶たず、県内でも過日、福島市で90代の運転する乗用車が歩道に突っ込み、歩行者が犠牲となる悲惨な事故が発生した。こうした情勢を受け、当事者や家族の中で免許返納について改めて考える動きが高まっており、各自治体が実施する免許返納者に対する支援を受ける人も増えてきている。
 須賀川署によると、管内で今年1月から10月まで発生した人身事故97件のうち、65歳以上の高齢ドライバーが起こした事故は25件と約4分の1を占める。
 また同期間に免許証を返納した人は県内で約5100人、管内では229人。このうち高齢ドライバーは227人だった。
 返納理由として最も多いのが「身体機能の低下」で122人、次いで「家族の勧め」が45人、「運転が不要になったから」が42人。そのほか「免許更新時の適性検査に不合格」8人、「その他」12人。
 免許返納の動きが強まる一方で、自動車は日常の移動手段として重宝されており、返納後の生活を心配する声も少なくない。
 そのため、家族で十分に話し合う機会を設けることが重要と言える。
 各自治体では運転免許の自主返納者等に対する高齢者支援施策を展開している。
 須賀川市は令和2年度から70歳以上の自主返納者に対し、福島交通のバス利用ICカード「NORUKAカード」、またはタクシー利用券1万円相当を交付しており、今月18日現在で利用者数は500人となった。
 鏡石町でも同様の事業を実施し、免許返納者の生活を支援している。
 天栄村では免許を持たない、または返納した65歳以上の村民に、タクシー料金を助成する制度を設けている。また高齢者バス利用助成制度で、65歳以上が路線バスの定期券購入をした場合、上限2万2000円を補助する。
 須賀川地区交通安全協会は運転経歴証明書用のパスケースと反射ネットストラップを贈呈する。
 さらに県では運転免許自主返納支援事業「運転卒業サポート」を実施している。
 協賛店で運転経歴証明書を提示するとサービスが受けられるもので、須賀川市内では幸楽苑や眼鏡市場、ニチイケアセンターで割り引きされる。
 このほかタクシー協会加盟タクシー会社は65歳以上が運転経歴証明書した場合、乗車料金を1割引きするサービスを提供している。
 「免許証を返納しようか迷っている」「家族に免許返納を考えてほしいが、説得できない」と悩む人の相談は警察庁の安全運転相談ダイヤル(℡#8080)まで。つながりにくい場合は、各運転免許センターも相談に応じる。