電子処方箋の活用でスムーズに処方する大谷院長代理
全国に先駆けて電子処方箋を導入する須賀川地域のモデル事業は9日から、公立岩瀬病院とさくら薬局須賀川北町店でスタートした。患者の処方歴がオンラインで参照できるようになることで薬の併用や飲み合わせてはいけない禁忌予防につながるほか、処方時のやり取りがスムーズになるなど様々な効果が期待される。
電子処方箋はこれまで紙で受け取っていた処方箋が電子化されるだけでなく、複数の医療機関・薬局をまたがる過去の処方情報が記録され、患者の同意により診療時に参照することで同じ効果の薬の処方や飲み合わせの悪い薬の処方をより確実に防ぐことができる。
またお薬手帳のように紛失のおそれがないこともメリットとなる。
全国では来年1月から運用開始する予定だが、これに先立ち須賀川を含む全国4カ所のモデル地域で運用を開始し、運用プロセスや各種対応の確立と活用方法の展開を確認している。
初日は実際に公立岩瀬病院で処方を受けているスタッフが、患者役として電子処方箋を利用して薬を受け取るまでの一連の流れをマスコミに公開した。
診療を担当した大谷弘院長代行・内科部長がパソコンにつないだ読み取り機にカードをかざして認証を受け、患者の必要なデータを取得して過去の処方歴を確認しながら、適切に薬を処方した。
患者は渡された紙の処方控えをさくら薬局に提示し、専用機器にマイナンバーカードを使って本人確認し、薬を受け取った。
なお本人確認は保険証などでも可能。
土屋貴男院長は「東日本大震災の教訓から本院ではデータのクラウド化やマイナンバーカードのオンライン資格確認・保険証利用、LINEをつかった情報発信など取り組んできた。被災時にお薬手帳がなくなってしまったという患者様もいたが、電子処方箋はその解決につながる」と説明した。
フジ薬局とアイランド薬局須賀川店は今月から運用開始する予定で、他の医療機関・薬局も準備が整い次第始めていく。
薬局では電子処方箋を活用した取り組みとしてオンライン服薬指導も実施していく予定。
11月21日現在の参加予定施設は次の通り。
▽医療機関=公立岩瀬病院、関根医院▽薬局=さくら薬局須賀川北町店、フジ薬局、アイランド薬局須賀川店、大町調剤薬局、クオール薬局鏡石北店、さくら調剤薬局、サンキュー薬局すわまち店、調剤薬局くすりの大福、たけうち調剤薬局、自由ケ丘調剤薬局、メイプル調剤薬局