須賀川市は名誉市民で今も特撮の神様と親しまれる円谷英二監督たちが様々な技術を生み出した特撮を後世に残すべく様々な取り組みをしてきたが、さらにその活動を進めるため、今年3月に特撮文化振興基本方針「空想を現実に」を策定する。
特撮は巨大怪獣が市街地をかっ歩するなど現実では起こらない場面と画面内に生み出す、特殊撮影の略語。円谷監督は多くの仲間とともに創意工夫を凝らしてゴジラやウルトラマンなどの名作を生み出した。
日本の特撮技術は世界の映像文化に大きな影響を与えたが、CG技術の発展とともに活躍の場が徐々に失われつつあり、かつての大作などでも使われた関連資料が廃棄や海外流出の危機にさらされていた。
市は特撮を後世に残し誇るべき文化ととらえ、当時の技術者の発想力や技術が詰まった関連資料を収集・保存・修復・調査研究する全国初の本格的な施設として、令和2年11月3日に特撮アーカイブセンターを開設し、1000点を超える展示物をひと目見ようと全国各地から多くの来場者が足を運び、総入館者数は昨年末で6万人を超えた。
さらに現代の特撮現場で活躍する現役のクリエーターたちを講師に迎え、各種ワークショップや講演会、昨年度から開講した特撮塾、円谷プロと連動した目抜き通りへの怪獣モニュメント設置などを展開してきた。
市は円谷監督の出身地だからこそ、特撮が文化として親しまれるまちを目指し、今回策定する特撮文化振興基本方針で各種施策の具体化を図り、第9次総合計画で掲げる「特撮が世界に誇るべき文化として親しまれる」将来を目指す。
目標達成に向けて「特撮資料の収集・保存」「特撮文化の継承」「特撮文化の発信」「公民学の連携」「地域振興」「人材育成」の6つの柱を軸に展開する。
現在まで特撮アーカイブセンターを中心に取り組んできた収蔵庫の整備や特撮資料の修復・調査研究に加えて、市独自の「特撮文化財」指定制度を構築して、資料修復に関する支援やデータベース化を図っていく。
また新総合計画スタートに合わせて、市文化振興課内に特撮文化推進係を新設し、将来にわたって魅力発信と資料保存を通して、市民のシビックプライド醸成につなげていく。
27日までパブリックコメント募集 3月策定の特撮基本計画
須賀川市特撮文化振興基本方針策定に向けたパブリックコメント(意見公募)を27日まで市役所文化振興課などで募集している。
基本方針は特撮を文化として残していくために、市が継続して取り組むべき内容を定め、今年3月の策定を目指している。
基本方針(案)は文化振興課のほか、tette、長沼・岩瀬両市民サービスセンター、各公民館、特撮アーカイブセンターに資料を配置するほか、市ホームページでも公開する。
閲覧場所に配架またはホームページ掲載の意見提出様式(任意形式も可)に住所・氏名・連絡先を明記し、直接持参、郵送(〒962-8601、須賀川市八幡町135、市文化振興課宛て)、FAX( 0248-94-4563 )、電子メール(bunshin@city.sukagawa.fukushima.jp)で受け付ける。