遺作41点まとめる記録集 「平澤敏雄展」実行委が発刊

天栄村文化鏡石町須賀川市

  • 画像
    「2022平澤敏雄展」記録集

 元須賀川・白河高で美術教師を務めた故平澤敏雄画伯の遺作41点を展示した「2022平澤敏雄展―風景への深いまなざし」を企画した同展実行委員会(内山秀夫代表)はこのほど、展示作品をとりまとめた記録集を発刊した。
 記録集には作者を代表する「けずられる台地」シリーズをはじめ、白河近郊の山々、独特の世界観で描いた静物画などを全34ページにまとめた。
 平澤さんは白河市出身。須賀川高と白河高で教べんを取った。昭和48年から主体展に作品を出品し、白河の自宅から臨む山々が開発される思いや環境破壊をテーマに「けずられる台地」「根株の風景」の大作シリーズを発表した。受賞を重ねて昭和56年に主体展会員、平成16年に退会した。
 昭和54年に美術評論家坂崎乙郎さんの推薦で新宿・紀伊国屋画廊の企画個展を開き、主体展退会後も故郷白河や東北各地の素晴らしさを描き続けた。
 精力的に活動する傍らで、地域美術発展の一助になればと、白河で絵画研究グループ「アウル」を結成し、矢吹町のふるさとの森芸術村でも個展・グループ展を開き、県展審査員を4度務めるなど県美術界にも大きく貢献した。
 昨年8月の「平澤敏雄展」は、恩師を囲み定期的に酒宴を催してきた須高美術部OB「平澤会」と両高OBが実行委員会を組織して実現した。