全15回の活動を振り返り感想を発表する塾生 完成映像やメイキングを観賞する閉講式
須賀川出身の故円谷英二監督たちが仲間とともに生み出した特撮技術を継承し「第二の円谷」を生み出すべく、昨年6月に開講した特撮アーカイブセンターの「特撮塾」は28日、市役所で閉講式を開き、塾生オリジナル怪獣が主役の映像作品「魂の叫び ヨロイガー」とメイキング映像を披露した。
市は特撮文化拠点都市の構築を文化行政の柱とし、市民が主体となって特撮文化に誇りを持ち、その継承や発展に意欲を持つ後継者育成を究極の目的に、円谷英二ミュージアムや特撮アーカイブセンターを開設した。
これらの活動を通して今後10年間を見通し、特撮に興味を持ち、特撮を使った映像制作に意欲を持つ人材育成を目的に特撮塾をスタートさせた。
特撮塾は現代特撮を担う田口清隆監督と島崎淳さんを講師に迎え、三池敏夫さん、尾上克郎監督、NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構(通称ATAC)の全面協力を得て開講した。
市内中高生24人が第1期生として参加し、予定より5回多い15回活動、オリジナル怪獣やアクタースーツ、ミニチュア制作、市民エキストラを募集した大規模な撮影会など市内各地で撮影・編集作業にあたった。
閉講式は橋本克也市長のあいさつに続いて、完成作品「魂の叫び」とメイキング映像を特別上映し、塾生たちは映像を通して「撮影で使ったものは全て手作りして並べたりで大変だったけど、とても楽しく、まさかゴム手袋から怪獣着ぐるみになったのがとても面白かった」「カメラ、カチンコ、スモークなどたくさんの体験ができて充実した活動ができた」などを笑顔で話した。
また橋本市長はヨロイガーが10分の1サイズに再現した市役所を破壊する映像を見て「市民の安全を守る立場として複雑な気持ちです。私が巨大化してヨロイガーに立ち向かわねばならないと思いました」と会場の笑いを誘っていた。
最後に塾生一人ひとりに田口監督が卒業証書を授与し、活動についての感想を発表した。
会場では映像上映のほか、これまでの塾生の活動を紹介する写真パネルや塾生手作りの絵コンテなども公開し、来場者の注目を集めた。
完成映像とメイキングは、今年度中の一般公開を予定し、準備が整い次第スケジュールなどを公表する。
第1期生は次の通り。
▽中学1年=吉田伍希▽2年=水野尊琉、大竹美翠、池田莉陽人、圓谷來美、近内翔太、菅野亜美花、我妻淳之介、小沼優太▽3年=川田珠稟、本田諒太郎、石井大翔、石澤果怜、菅野拓斗▽高校1年=諸根秀斗、小林彩乃、吉田叶奈▽2年=桐原葵、郡司太陽、鈴木翔湖、久保木基、石澤由萌▽3年=星結翔、小松蓮