要救助者の状態を確認し、正しい処置を行う隊員 実際の事例をもとに訓練する救急隊員
須賀川地方広域消防組合の救急活動訓練は1月30、31の両日と2月6、7の両日、消防本部庁舎で行われ、須賀川・石川消防署管内の救急隊員ら約150人が、それぞれ実際に起こった事例を想定訓練により共有し、より安全で適切な救助方法や効果的な指導法について学んだ。
救急隊のスキルアップのみならず、救急技術指導者の指導力向上なども視野に入れた効果的かつ実践的な訓練として今年度から取り入れた。
昨年1年間の救急出場件数は5679件(前年比642件増)であり、昭和48年の組合発足以来過去最多となった。搬送人員も5091人(同446人増)であり、救急車の利用が増えている。
中でも急病人の増加が顕著で、497人が各病院に搬送されている。
そのため救急隊の技能や適切な判断、対応力がこれまで以上に求められる状況となっている。
救急隊員は様々な状況におかれた要救助者のもとに駆けつけ、病気や怪我の状態、呼吸や心拍などを確認し、必要な処置を行うが、状態を見極めるためのポイントや対応において注意すべき点は全てが「教科書通り」とはいかず、経験を積み重ねることが重要とされてきた。
今回の訓練を通じて実践の経験を擬似的に共有することで、現場におけるより臨機応変な対応を多くの隊員が共通認識として身につけることが期待される。
訓練では隊員の指導を救急技術者が担ったが、その様子を救急技術指導者が監督し、より良いフィードバックの仕方を教えた。
これにより各消防署・分署等での訓練もさらに効果的になるよう狙った。
隊員たちは必要な連携なども確認しながら、地域住民を守るため使命感を燃やし、真剣な表情で訓練に臨んでいた。