転倒災害 昨年は過去最多の38件 雪道は慌てず走らずに

天栄村鏡石町防災須賀川市

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    溶け残って凍った雪や階段に注意

 福島労働局と各労働基準監督署は3月末まで「福島冬季転倒災害防止運動(転ばないでね!)」を展開している。須賀川労働基準監督署によると管内の昨年1年間の転倒災害は過去最多となる38件発生した。今週末や来週半ばには雪の予報も出ていることから、十分な注意を呼びかけている。
 「滑った」「つまずいた」などの転倒災害は、労働災害全体の約4分の1を占める。
 また過去10年の発生件数をみると、平成24年に19件だったのに対し、一昨年は32件と年々増加傾向がみられる。
 増加の要因として労働者の高齢化があり、年齢別発生件数をみると245件中84件が50代、78件が60代で、50代と60代を合わせると全体の約66%を占める。また休業30日以上の75%がこの年代となっており、特に注意が必要となる。
 また凍結や積雪に起因する転倒災害の60%は休業30日以上を要する大きな怪我につながっており、危険性がより高くなっている。
 転倒災害防止には、原因となる「ぬかづけ」(ぬれているところ、階段・段差、片付けられていないところの頭文字)での注意が求められる。
 また労働基準監督署によると冬場は駐車場や玄関付近での転倒が特に多いという。そのため天気予報に気を配り、労働者に注意を呼びかける、労働者は時間に余裕をもって行動する、遅刻しそうでも雪道では慌てない、走らないことが重要となる。
 また屋外では小さめの歩幅で歩く、駐車場内や事務所までの通路に除雪・融雪剤を撒く、靴に付着した雪はしっかり落とすなどの対策も有効だという。
 さらに事前の防止策として、労働者が危険を感じた場所について情報を集め、結果を危険マップなどで社内全体に共有する、照度の確保や手すりの配置、耐滑性に優れた靴を使用することなどを挙げる。