マーチングバンドに熱い思い 輝く伝統地域で引き継ぐ 児童・保護者が新たなスタート

子ども教育文化須賀川市

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    ステップを合わせる基礎練習に励む児童たち

 先日のサンクスコンサートで学校としての活動に幕を下ろした須賀川一小特設マーチングバンド部は活躍の場を地域に移し、児童約20人が毎週土曜日を中心に練習を重ねている。「大人になってからも輝く思い出として残り続けるマーチングバンドの経験を味わってほしい」という保護者たちの熱い思いに支えられ、「We Love マーチング」を合言葉に演奏・演技を磨きながら、新年度も全国大会出場を目指す。
 部活動の地域移行の流れを受け、須賀川一小は平成7年のふくしま国体開催に伴い創設された同部や特設陸上、合唱部の活動を今年度いっぱいで終了させる苦渋の決断をした。
 約30年間にわたり地域に愛されながら活動し、18回の全国大会出場を果たした名門チームの伝統を引き継ぎたいと、現役部員の保護者たちを中心に「須賀川マーチングバンド部 応援し隊」を結成し、新団体のスタートに向け力を合わせている。
 須賀川一小は体育館や楽器の利用を認めるなど、可能な範囲で支援する。
 新団体「須賀川アカデミックマーチングクラブ」は、市内でパートナー企業の支援を受けながら活動する「須賀川アカデミックバスケットボールクラブ」の姉妹団体として4月から本格的に活動を開始する。
 愛称とも言えるセカンドネームを現在検討しており、「須賀川マーチングバンド(仮称)」の名でホームページ(https://sukagawa-marching.club/)や、ツイッターアカウント(@marching_skg)も開設し、新学期スタートを前にPR活動を始めた。
 また現役部員たちは土曜日に須賀川一小体育館に集まり、他校を含めた入団希望者たちの見学を受けながら練習に励んでいる。3月は学校行事のため須賀川ふれあいセンターでの練習となる。
 有我靖子保護者代表は「指導者の確保や団員数の減少、今後の遠征時に必要となる資金面の課題など、問題は少なくありません。それでも何より子どもたちが『マーチングバンドをやりたい』と望んでおり、音楽で心を一つにする他にできない体験をどうにか継続させたいと、力を合わせています」と語る。「そのため地域の皆さんにも、できる範囲で応援いただきたいです」と話す。
 新年度からリーダーを務める鈴木あやのさん(須賀川一小5年)は「後輩に優しく声をかけ、頑張ってきた先輩たちのようなリーダーになりたいです。また4月から須賀川一小以外の団員も入りますが、思い切り楽しむことも勉強の一つと考え、みんなで協力して伝統を引き継いでいきたいです」と意気込む。
 卒業を目前に控えながら、今も後輩たちの指導にあたる吉田司前部長(同6年)は「一つの目標に向け、一つの音楽を全員で作り上げるマーチングバンドの伝統を大事にして、全国大会を目指してほしいです」とエールを送った。
 同団体はマーチングバンドに興味のある新4年生以上の児童と、OB・OGに限らず指導や小道具等の作成、活動の見守りなどサポートに手を貸す「応援し隊」を広く募集している。
 問い合わせはホームページのフォームまで。

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