記者発表する添田村長
天栄村の添田勝幸村長は3日、村役場で令和5年度当初予算を記者発表し、一般会計は40億8600万円(前年度比1億700万円、2・7%増)と説明した。
冒頭で添田村長は「新年度はコロナ禍と国際情勢に伴う物価高騰や少子高齢化、防災対応機能拡充とともに、第5次村総合計画の5つの基本目標の実現に向けた諸施策を中心に作成した。人口減少やSDGsの推進など持続可能な村づくりにも取り組んでいく」と述べた。
重点事業のうち農業生産向上官学連携事業は460万円計上し、福島大と連携して稲作の品質向上や気候変動に耐えうる栽培方法の模索、土壌にあった費用対効果の良い肥料の散布など、土壌調査等で共同研究し、農家の所得向上につなげる。議会の承認を得た後、速やかに協定を結ぶ予定。
若者定住住まい確保応援補助金は予算300万円で、親と同居する40歳未満の若者が村内に定住する場合、新築住居上限150万円、中古物件上限120万円補助する。補助額は子どもの有無や村内業者の活用などで変わる。
子育て支援では保育施設の保育料を無料化するほか、拡充事業のすくすく家庭保育応援金は予算216万円で、家族が在宅で育児を行う家庭に対する応援金の年齢要件を幼稚園入学前まで拡充し、0歳から12カ月まで1カ月あたり3万円、1歳から3歳まで1カ月1万5000円支給する。
保育所移転について、移転施設測量設計事業で整備設計と施設等敷地造成測量設計を実施する。予算は3337万6000円。
自主防災組織活動支援事業は予算100万円で、防災士の資格取得に上限7万5000円、防災訓練に上限5万円で補助し、地域の防災組織の充実・強化を図る。
てんえいふるさと公園広場施設等整備事業は道の駅季の里天栄の隣接地帯で工事を進めており、新年度は3185万7000円を計上した。資材高騰の影響も大きいため、状況をみながら2、3年後の完成を目指す。
創業等支援補助金は82万円で、村内で創業する事業者に今年度から補助率2分の1、上限40万円を支援しており、今年度は2業者が活用した。新年度も現時点で2業者が新たに希望している。
子ども読書推進事業は20万円の予算を組み、子どもの読書冊数や感想文の投稿などに応じ図書カードをプレゼントし、本に親しむ機会を増やす。
高齢者見守り訪問事業は83万2000円で、独居老人や高齢者世帯のヘルパーサービスを対象者の状況に合わせた頻度で実施する。対象者数は現時点で33人。
このほかデジタル変革(DX)の推進として、企画政策課内に役場内のDXの司令塔となる係を新設し、会議等のペーパーレスや緊急時における村民へのより効果的な連絡手段確保など目指す。またデジタル目安箱を新たに設置し、生活弱者の支援などにつなげる。
新年度予算は7日から開かれる村議会で議論する。