須賀川市久保ノ内地区の女性たちが江戸時代から連綿と受け継いできた百万遍の「数珠くり」が8日、上桙衝集会所で4年ぶりに再開し、疫病退散や諸願成就などを祈願した。
長沼町史によると数珠繰りは久保ノ内をはじめ8地区で伝わり、念仏を唱えながら大きな数珠を操って死者の供養や疫病退散、雨ごいなどを祈願したとされている。
久保ノ内地区では3月と7月の初午の日に地区内の婦人たちが集会所に集まって毎年実施し、近年はコロナ禍で一時中断していた。
同地区に伝わる数珠は3畳を超える長さがあり、保存用の箱書きなどには寛永3年(1626年)と寄進者と思われる齋藤惣右衛門の名が残されている。
4年ぶりの再開はコロナ禍で最少人数にし、参加した5人が輪を作って大きな数珠を反時計回りに3周させて疫病退散や無病息災など諸願成就を願った。
数珠繰りは婦人同士のコミュニケーションの場にも活用され、祈願終了後は情報交換を兼ねたお茶会を催した。参加者からは地域の大切な伝統行事をこれからも受け継いでいきたいなどの声が聞かれた。