大規模災害発生に備える 須賀川地方広域消防組合が緊急援助隊の出動訓練 震災の教訓つなぐ

天栄村消防鏡石町防災須賀川市

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    隊編成など協議する出動準備会議

 須賀川広域消防組合の緊急消防援助隊出動訓練は10日、消防本部と各署で連携して初めて行われ、東日本大震災から12年が経過するにあたり発災時の迅速な出動体制を強化した。
 12年前の東日本大震災発生時、同組合は全職員が一丸となり地域住民の安全・安心確保に尽力した。その後も地震や台風など発災において、地域防災の要として大きな役割を果たしている。
 近年、国内で災害が多発・激甚化していることもあり、今回は全国的な応援が必要な南海トラフ地震や首都直下地震等の国家的な非常災害が発生したことを想定し、緊急消防援助隊を迅速に出動できる体制の検証と充実強化を図る。
 訓練は国内でマグニチュード9の大地震が発生し県消防本部から出動を求める連絡が来た状況から開始し、須田勝茂消防長をはじめ須賀川消防署長、消防本部各課長らが出動準備会議で情報共有し、一・二次隊の編成や迅速な出動に向けた流れなど指示した。石川消防署副署長はリモートで参加し時間短縮を図った。
 緊急消防援助隊に登録している職員52人は出動に向けた準備を進め、通信指令係の招集を受け、一次隊として出動する消火・救助・救急・後方支援の4隊16人が直ちに消防本部に集合した。
 その間、須賀川消防署など緊急消防援助隊登録車両のある各署は資機材の積み込みなど出動準備を進めた。
 最後は出動隊が消防本部前に集い、須田消防長に出動を報告し、訓練を完了した。
 須田消防長は「東日本大震災から12年が経ち、当時は全国から救急援助隊を受け入れ対応した。当組合として同隊の訓練を継続的に行うことで、問題点を洗い出し、いち早く現地に駆けつけ、国民の安全・安心を守りたい。また震災を職員として経験していない若い世代も3分の1強まで増えた。災害への対応訓練を通じ、震災の記憶と教訓を引き継いでいきたい」と述べた。

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