生徒たちに震災への向き合い方など伝える大和田さん
小塩江中の震災学習パネルディスカッションは9日、全校生22人と小塩江小の5・6年生16人、保護者や公民館職員らが出席して開かれ、パネリストの大和田新フリーアナウンサー、絵本作家の松本春野さんと東日本大震災を振り返った。
震災で亡くった人たちを追悼するとともに、その時の経験と教訓を継承し、自らの生き方や命の大切さを主体的に考える契機にする目的。
邊見浩校長が「震災を振り返り、どのようにしていくか考え、心に残る会にしたいと思います」とあいさつした。
テーマは「東日本大震災の教訓を生かし、未来を育る」。パネルディスカッションでは芳賀絆生前生徒会長、横田綾太前副会長、相樂陽愛生徒会長の3人が、「藤沼湖について」「防災に向けた取り組み」「放射線について」の3点を取り上げ、調べた内容や意見など発表した。
大和田さんはいわき市で亡くなった工藤盛人さんを描いた紙芝居「ひとつ」を披露し、命の大切さ、伝えていくことの重要性を伝え、「世間で言われる復興という言葉は『復旧』を意味しており、本当の『復興』とは心が一歩前に進むことであり、これからも必要なことなんです」と力説した。
松本さんは震災や原発事故を知り、子どもたちが心を癒し、絵本を安心して読める社会をつくりたいと、福島の絵本「ふくしまからきた子」「そつぎょう」「ぼくのうまれたところふくしま」の3冊を描いたと紹介し、震災を知らない子どもたちへの伝承の重要性を話した。
コミュニケーションの大切さ、正しい情報を伝えることの難しさと重要性など意見を寄せ合い、大和田さんが「災害に対する心構えを持ち、自分の命は自分で守ること。そして心の一歩を踏み出してほしい」と述べた。
最後に押川千晏さん(2年)が「心でつながり合うことを大切に、命を守ることを心掛けたい」とお礼の言葉を述べ、佐久間大樹さん(1年)が花束を贈呈した。