須賀川市男女共同参画講演会は11日、市文化センターで開かれ、ソウル五輪柔道女子銅メダリストで筑波大教授の山口香さんを講師に迎え、「多様性が生み出す新たな可能性~スポーツから考える男女共同参画~」をテーマに、自身の経験や女子スポーツの歴史から、望ましい社会のあり方について講話した。
市、市女性団体連絡協議会の主催。
約130人が受講した。冒頭で東日本大震災の黙とうと橋本克也市長のあいさつがあり、山口さんが登壇した。
山口さんは6歳の頃、テレビドラマ姿三四郎にあこがれ柔道を始めた。「当時の保護者にしては珍しく、娘が柔道を習うことに反対しなかった。しかし道場に女子が1人もおらず、入門を断られた」と語る。それでも何度も入門をお願いし、女子だからと特別扱いしないことを条件に入門が許されたという。
「『女だから』という理由で入門をあきらめなかったから、今の人生につながっている」と強調し、受講者の関心を集めた。
また女子スポーツの歴史を振り返り、オリンピックでも過去に「女性の役割は男性に冠を捧げること」とまで言われていたが、東京オリンピック2020では冠を捧げる役の男性が登場したことを挙げ、「役割は刷り込みであり『きっとそうに違いない』という思い込み。それは変えていけるものであり、スポーツでも変わりつつある」と語った。
受講者らはユーモアを交えた山口さんの話に笑顔を浮かべながら、望ましい社会のあり方に思いを深めていた。