4月から道路交通法の改正により自転車のヘルメット着用が全世代で努力義務化され、市内でもヘルメット姿の成人を見かける機会が増えてきた。一方で全国的な需要の急増により須賀川市内の販売店でも特に成人用の商品が在庫切れとなっており、見た目が帽子風のものなど人気の高いものは受注できない状況が続いているという。
岡東町のオサダ商会サイクルステーションダイリンによると、競技用のものはあるが、5000~8000円程度の価格帯のものは昨年12月頃から品薄の状態が続いているという。また通常の子ども用はあるものの、大人でも被れる大きめの子ども用は在庫が消えた。
このところ1日あたり5、6件の問い合わせがあり、特に高齢者が「罰せられたら怖いから」と求める声も多い。そのため現状は罰則がないことを説明し「焦らなくても大丈夫」と伝えているという。
そうした状況で懸念されるのが、製品の安全性を保証する「SGマーク」のない安価な海外製など使用することであり、「ヘルメット着用は大切な命を守るために必要なこと。慌てて不適合品を買って、いざという時に役に立たなければ意味がない」と強調する。
また注意点としてヘルメットは内部の発泡ポリスチレンが割れることで衝撃を吸収し人体を守るが、この素材は約3年ほどで劣化するため、安全な利用のためには定期的な交換が求められる。
警察庁によると過去5年間の自転車乗用中の事故による死亡原因の58%が頭部の負傷であり、死者の69%が高齢者だという。
そのため須賀川署は新入学(園)児童・園児の交通事故防止運動に合わせた広報活動でも啓発に力を入れており、小幡尚一副署長は「万が一、事故にあった場合に自らを守るためにも、積極的に安全なヘルメットを着用してほしい」と呼びかける。