「牡丹賞」を受ける古川さん
須賀川市俳句ポスト年間入賞表彰式は30日、風流のはじめ館で行われ、橋本克也市長が年間特選・入賞・優秀校受賞者に賞状と記念品を贈った。
須賀川市は江戸時代の紀行文学金字塔である「奥のほそ道」著者で俳聖の松尾芭蕉が8日滞在した場所であり、芭蕉を歓待した相楽等躬は江戸俳諧でもその名を知られるほどの文化人であり豪商であった。彼を祖に須賀川俳壇は連綿と受け継がれ、大正時代に桔槹吟社が設立され、昨年結社100年を迎えた。
須賀川の俳句文化を継承・発展する目的で、市は市内景勝地21カ所と小中学校などに俳句ポストを設置し、市内外から優れた俳句作品を広く公募している。
令和4年度は3174人(一般330人、小中学生2844人)から9947句(一般5222句、小中学生4725句)が寄せられた。
当句作品を年2回の選句会で前後期の入賞作品を決め、年間選句会は1月30日に開き江藤文子桔槹吟社同人会長らが年間特選句などを選考した。
一般の部特選「牡丹賞」は古川春枝さん(市内小中)「煮こぼれていちじくにある花の色」、秀逸「赤松賞」は渡辺圭子さん(稲荷町)「下の川桜うねりの中流る」、「翡翠賞」は新田純子さん(雨田)「走る子の手からほおずき転がりぬ」。
子どもの部特選「ぼたん賞」は樽川知怜さん(西袋中1年)「里いもに地層のようなしま模様」、秀逸「あかまつ賞」は藤田悠真さん(柏城小3年)「たいふうのたぶんなかにはりゅうのしろ」、「かわせみ賞」は武田雪さん(須賀川二小2年)「はなごおりとけてはなびらでていたよ」、年間優秀校「等躬賞」は西袋二小が選ばれた。
橋本市長が一般の部入賞者に賞状と自筆の句を刻み込んだ石盾(深谷石材店提供)、子どもの部入賞者に賞状と図書券を贈った。
橋本市長は俳句ポスト事業を改めて説明し、「これからも人々の身近にある生活に密着した素晴らしい作品の投稿に期待し、文学への理解を深めていただければ」とあいさつした。
選者を代表して江藤同人会長があいさつし、年間特選受賞の古川さんと樽川さんが謝辞を述べた。
年間特選・秀逸受賞句の短冊は、風流のはじめ館で1年間掲示紹介する。