【部活動の地域移行】中体連に石背柔道スポ少が地域クラブで参加 受け皿として注目

スポーツ教育須賀川市

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 中体連県中地区陸上大会は17日から、岩瀬支部総合大会は30日から開幕する。部活動の地域移行が求められる中、県中体連は今年度から地域クラブの参加を認めており、須賀川・岩瀬地域では石背柔道スポーツ少年団が団体・個人戦に挑む。少子化が進み、各種目とも合同チーム化が目立つようになってきたが、受け皿となる地域クラブのあり方に注目が集まる。
 県中体連が大会出場を認める地域クラブについて、今年度は4月1日現在で29団体が登録した。
 須賀川・岩瀬管内は現時点で石背柔道スポ少のみ登録しており、同団として出場するのは男子5人(須賀川二中4人、長沼中1人)、女子1人(大東中)。
 長沼、大東の両校には柔道部がなく、大東はこれまで特設部という対応で選手の大会出場をサポートしていた。
 須賀川二中は現在も柔道部があるが、生徒や保護者がより専門的で充実した稽古を求め、同団に加わった。
 中学生の地域クラブとしての活動は今年4月からスタートし、毎週月・木・土曜日に集まり、汗を流している。
 指導の中心を担う白瀬雄太郎監督は「子どもたちの活躍の場を守りたい」と力を込める。
 同団の指導陣は8人だが、全員がボランティアとして尽力している。「子どもたちの頑張る姿や勝利の喜びを分かち合うこと、何より一人ひとりの成長がやりがいです」と白瀬監督。
 管内では柔道を小学生から始める子どもが多い。だが中学校で柔道部がなくて競技を辞めてしまったり、学区外の強豪校に進学する子もいたという。「自分たちが受け皿になることで、地域の柔道を守りたい」と力を込める。
 地域移行の課題も少なくない。前例のない地域クラブの参加のため、大会事務局とすり合わせを進めている。今大会で柔道の地域クラブ参加者は、個人戦は県中大会から出場、団体戦は県中体連が推薦する1団体のみとされている。
 男子は団体にも出場するが、同団のほか飯坂のチームも参加を希望しており、後日両チームで試合により代表を決めるという。「まだ日程や場所も未定で、調整はこれからです」。
 また白瀬監督はこれから地域移行が進んだ際、中学生から始める新入団員の確保の難しさも懸念している。「学校で部活としてあれば中学から始める子もいるが、当団として広く中学生にアピールするのは大変です」。現在は保護者がフェイスブックやインスタグラムでPRにひと役買っているが、それでもほとんどが小学生からの経験者という状況では、ハードルが高く感じてしまうのでは、と心配する。
 そうした中で、大会本番に向け汗を流すキャプテンの鈴木望夢さん(須賀川二中3年)は、「練習の質や量も増え、他校の生徒と交流する機会も増えました」と地域クラブでの活動に充実感を得ている。「今年は個人として全国大会出場、団体としても県大会に出て1勝でも多く勝ちたいです」と目標を掲げ、稽古にも熱を入れる。
 地域移行の模索が須賀川・岩瀬でも進む中、モデルケースとなり得る同団の取り組みに期待が高まる。

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