中富良野でも復興のサクラ 北海道で開花北限が北上 神炊館神社「お諏訪のエドヒガン」

自然観光須賀川市

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    中富良野で開花したエドヒガンザクラ

 奥州須賀川総鎮守神炊館神社お諏訪の杜エドヒガンザクラの種が「復興のサクラ」の名で北海道で芽吹いてから今年で9年目。今春は開花北限が前年よりもさらに北上し、中富良野町のラベンダー園の花畑で開花した。
 東日本大震災からの復興応援機運を高めたいと、平成26年秋に日本さくらの会認定桜守で道内在住の浅利政俊さんが種を採取し、「復興のサクラ」と命名、自宅庭で発芽に成功し、苗木を松前公園など道内各所に植樹した。
 現地新聞で活動が紹介されて多くの道民に協力の輪が広がり、4年前からは道南各地で開花を楽しめている。
 昨年は札幌市からやや北に位置する北広島市で開花に成功、今春はさらに道央に位置し積雪・寒冷地の中富良野市での開花が確認された。
 中富良野で復興のサクラを世話してきたのは、NANAKAの花畑前経営者の工藤貴司さん。岩手大学で勉学に励んでいたころから盛岡の石割桜をこよなく愛し、初めて自身が咲かせることができたエドヒガンを間近で見て「花言葉の『心の平安』がぴったりの、花びらの先が少し割れ波打つ感じがとてもきれいで心を優しくしてくれます」と浅利さんに宛てた手紙にしたためている。
 浅利さんは須田秀幸宮司への開花報告で「極寒を耐えて開花した最北のエドヒガンをみんなでたたえていきたい」とし、さらなる復興の輪の広がりに期待を寄せた。
 お諏訪の杜エドヒガンザクラは神炊館神社西側に広がり、全国的に見ても市街地に樹齢300年を超える固有種が群生現存する貴重な憩いの場として長年市民から親しまれる。

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