生徒の反応を画面越しに確認する教員たち
天栄村教委のオンライン授業は27日、村内全小中学校で一斉に行われ、災害発生時や感染症の拡大など臨時休業をせざるを得ない状況であっても子どもたちに教育を届けられる環境の整備に向け、試験的に実施した。
村は少人数の強みを活かした「天栄ならでは」の教育に力を入れており、GIGAスクール構想では1人1台のタブレット端末を自宅に持ち帰れるようにし、インターネット環境がない家庭にはルーターを貸し出している。
タブレット端末では子どもの理解に合わせた出題ができるAIドリルの活用や、フィリピンと中継をつなぐ生の英会話授業、動画やファイル共有を活かした通常授業の実施、思考ツールアプリの利用など進める。
そうした中で臨時休業の際も確実な学びを保障する体制を整えるためオンライン授業を一斉に実施し、通信状態や機器の操作、指導法等の課題を把握した。
また保護者に可能な範囲で子どものサポートをしてもらうことで、GIGAスクール構想への理解を深め、有事の際にオンライン授業等への協力が得られる体制づくりも目指す。
午前中は全幼・小・中学校合同の引き渡し訓練を実施し、児童生徒は自宅に戻った。
オンライン授業は午後から実施し、小学生208人、中学生111人がタブレットを通じて授業を受けた。
このうち天栄中は学年ごとに理科と道徳を実施した。
理科の授業では画面で課題のイラストや文章を共有し、生徒たちは教員の問いかけにチャットなどで返答していた。またネットを使った回答フォームで課題に取り組むなどの方法も試した。
道徳は教員が教科書の見てもらいたい箇所をカメラで示し、生徒たちは手元にある教科書を見ながら音声で考えを発表した。
別学年の道徳では黒板をカメラで中継するなど、学年ごとに異なる工夫を凝らし、より良い方法の確立に向け試行錯誤を重ねた。
今後は教員や生徒からの意見を集約して村教委に報告し、さらなる体制の充実に向け知見を共有する。